「 2015年05月26日 」一覧

バナナを食べてもうつ病は良くならない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

先日、テレビで「バナナを一日2本食べると、セロトニンが増えやすくなり、うつ病に良い」とやっていました。
これを見て、早速バナナを購入!って人もいたのでは?
でも、本当にこれって効果があるのかって疑問に思いません?

結論から言うと、バナナを2本食べればうつ病が改善されたり、気分が上昇したりといったことは科学的根拠としては乏しいのでおすすめはしません。

よくある「○○を食べたら○○病に良い」って、健康番組でやってる程度のもの。
私はバナナ好きですが、バナナのおかげで気分が晴れたことはありません。

バナナに限らず「○○を食べれば心の病気が改善」ってのは科学的根拠に乏しいのです。

心の病気の原因は全部不明です!

そもそも「うつ病の原因がセロトニン不足」っていうのは仮説です。
番組でも「うつ病にセロトニンが『関係している』」と言ってました。
ここがミソ。
「セロトニン不足が原因だ」と言っていません。
言えないのです。
だって、うつ病の原因っていまだに不明ですから。

関係しているかもね~、ってものを「原因だ」って思わせて、商品に誘導するってパターン。

よく「心の病気が良くなる」といってサプリメントを高額な値段で売っているところもありますが、当然のことながら科学的根拠は乏しいのです。
国家資格を持った人が誘導しているので信じやちゃう人も多いでしょう。

セロトニンを増やすだけでうつ病とかほかの心の病気が良くなるなら、こんなに心の病気の人が何年も治らない人がいっぱいいるってことはありませんよね。

あ、バナナに罪はありません。
私は大好きです!

「栄養で気分を良くしたいんだ!」って人は、私を信じない方が良くなる
どうしても番組の内容を信じたい!バナナは自分を救ってくれる!○○大学のお医者さんも言ってたしって思う人にアドバイス。
「気分改善するんだ」と信じ込んでバナナを食べましょう。
私の言っていることを信じてはいけません。

バナナに効果全くなくても「良くなる」と期待することで良くなることもあるから。
信じる者は救われることもあるのです。
これについてはこちらの記事を参考に。
「心の病気を治すには思い込みが大事だった!」
http://www.heartcompany.co.jp/urawasinri2015/01/12/post-0/

バナナ2本で気分が良くなるならいいんじゃないでしょうか。
でも毎日食べてたら太りそう・・・。

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