吐き気が怖い人の対処法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

吐くことが怖い。嘔吐恐怖です。

嘔吐恐怖の人は、吐きそうな状況を避けるので生活に支障がでます。
よくあるのは以下の状況。
・お腹がいっぱいになるのを避ける
・外食を避ける
・吐いている人がいそうな、居酒屋や週末の夜の電車を避ける
・肉を避ける
・お酒を避ける
・妊娠を避ける

避けるとちょっと安心しますが、吐き気への恐怖はむしろ強くなるんですよ。
避けたらまずいのはわかっているけれど、不安。
そんな人にちょっとした対処法を紹介。
パニック障害や対人恐怖にも使えます。
「吐き気」を自分の症状に入れ替えてください。

吐き気は注意の向け方次第

吐き気が怖いのは注意が自分の体の感覚に注意が向きすぎているから。
常に「具合が悪くないか」と体をチェックしていると、吐くことばかり考えてしまいます。
「この違和感は吐き気か!?」と考えると、急に吐き気が起こってきません?

実験してみてはいかがでしょうか?

まずはちょっと不安な場面に行って(レストランとか)、自分の体に注意を向けてみてください。
その不快さを0(まったく問題ない)~100(死ぬほど嫌)の得点を付けてみてください。
結構、不快さは高くないですか?

今度は周りのものに注意を向けましょう。それぞれ一分間くらい注意を向け続けてください。
周囲に何が見えます?(テーブルの色、質感はどう?周囲にどんな人がいる?
何が聞こえます?(人の声、時計の音、空調の音など)
座っている椅子の感覚はどうですか?(かたい?すわり心地はどう?)
全部終わったら不快さを0~100の得点をつけてみましょう。

どうですか?ちょっと不快の得点は体に注意を向けていた時とはちょっとだけ違いません?

体に注意が向けば症状は強くなり、外に向けば弱くなる。
注意の向け方で吐き気へのこだわりが変わっていくもの。
吐くことへの怖さを悪化させないためにも注意を体に向けすぎないことがコツ。
ただし「気をそらそう」と思って、意識しすぎるとうまくいかないので気を付けてください。

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