うつでやる気がなくても動けるようになるコツ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつは寝込むことで嫌なことを考える時間が増えやすい!

うつは調子が悪いからといって寝込んでいると悪化することがあります。
寝込んでいると嫌なことばかり考えます。
そうするとさらに活動する気になれなくなり、寝込みます。
寝込むと嫌なことを考える時間が増える・・・。
悪循環になりうつの悪化を招くのです。

この悪循環から抜け出すためにはやる気や調子に左右されずに活動していくとよいのです。
調子に左右されず活動を増やしていくことでうつ病がよくなることが研究でわかっています。
よく認知行動療法でとりいれられている技術です。
「そんなことできるか~!」と思いませんでした?
調子が悪くてやる気が起きないのに活動するのは大変。

やる気が起きない時にはどう活動したらよいのか?

こんな時のコツは「活動するか休むか?」ではなく「やれるところまでやる」を意識すること。

うつの多くの方が、寝込むか活動的に動くかの2択になっています。
0か100の選択なのです。
そうすると「今日は調子が悪いから何もできない」と調子によって左右された生活になり悪循環になります。
活動の目標設定が高いんですよね。

もう少し活動のレベルを下げて調子が悪い時の選択の幅を広げていけると良いのです。

散歩が難しければ、自宅でテレビを見るとか、編み物をするとか、それでも難しければとりあえずコーヒーを飲むとか、とりあえずソファにすわるとか、やりやすい活動に変えていきます。
「え!そんなのでいいの?」くらいの活動までハードルを下げていっても大丈夫です。
そうするとこれまで「今日は調子が悪いから寝てよう」から「今日は調子がわるいけど、コーヒーくらいはいれよう」「とりあえずベッドから出てソファにすわろうか」となります。

注したいのは活動をつめこみすぎること。
疲れて翌日寝込むだけです。
調子が悪いなら、悪いなりの活動をしていきましょう。

やる気は寝込んでいても出てこない!

こんな感じで生活していくと、多少気分の落ち込みがあっても、調子に左右されずに動けるようになるのです。
活動を増やしていくことで、嫌なことを考え込む時間が減ります。
また「やるまでは億劫だったけど、やってみたらちょっとマシだった」と経験ができ、何をすれば「寝込むよりマシ」なのかがわかってきます。
だんだん活動することにより気分がよくなる確率が高まり、うつ病が改善していくのです。
「やる気がないから活動できない」ではなく「やる気を出すために活動する」方向にいきましょう。

「調子が悪いから何もできない」ではなく「ここまでならできる」ことをする。
100%の活動が無理でも1%くらいの活動はする。
地道な方法ですがうつ病治療で有力な方法の一つです。
できそうなところからちょっとずつやっていきましょう。

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