浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
身近な人にやめてもらいたいものがある。
タバコとかお酒とか。
そんな時、あなたならどうしますか?
タバコを例にとってみましょう。
タバコをやめてもらいたかったら逆効果なことがあります。
それは理屈で説得すること。
「タバコは肺ガンの確率を高めますよ」
「体に悪いことばかりですよ」
とか。
病気になるよ~って脅したり、禁煙にはこんなこと役立つよ~、って教えても、ほとんど効果を出さないことが研究で出ています。
むしろさらに吸う確率が高くなるのでは?といわれているくらい。
「体に悪いのはわかってるんだけどさぁ、やめられないから仕方ないじゃない」
「吸わなくたってガンになっている人いっぱいるじゃない」
と「タバコを吸う理由」を話すだけ。
昔、親に説教されると逆に言うこと聞かないってことありませんでした?
このような時はどうしたらよいのか。
本人にタバコをやめる理由やどのようにすればやめられるかを繰り返し「話してもらう」のです。
「なぜタバコはだめなのか」「どうすれば禁煙ができるのか」を説得するのではなく、本人いってもらう。
人は信じていないことでも繰り返し話していると、自分の話していることに意見が傾きます。
昔から使われている心理テクニックです。
・校歌を歌うと愛校心が芽生えやすい。
・お祈りをしていると信仰心が強くなりやすい。
・自分が興味がない主義について、表面的でも賛成することを話し続けると、興味がわいてくる。
良いほうにも悪いほうにも使われてきました。
ではどんな風にしてたら自分から話してもらえるか。
これまで説得してきたことを質問形式にしてみましょう。
タバコをやめる理由っていったらガンになるからでしょ!→「なぜタバコはだめだと思う?」
タバコ代がかかって大変でしょ!→「タバコを吸うデメリットは?」
タバコ代で○○が買えていいじゃない!→「タバコをやめるとどんな良いことがありそう?」
とりあえず禁煙外来に行って!→「どの辺りからならやめられそう?」
そうすると質問された相手は自分で「タバコをやめる理由」を話すこととなります。
タバコをやめる理由を話し続けると、自分の意見が変わりやすくなります。
説得するのではなく、話してもらう。
繰り返すことが必要ですが、やってみてはいかがでしょうか?
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