「 2014年04月10日 」一覧

妊娠と精神科のお薬について

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

妊娠を希望しているためカウンセリングを受けようとする人もいますよね。

一方でどうしても薬が必要な場合、妊娠と精神科の薬についてどうしたらよいか、という疑問をお持ちの人もいるでしょう。

これについては主治医と相談してください、というと終わってしまうので、とりあえず基礎的な情報を。

詳しいことは主治医と相談してくださいね。

一番下にのせている情報をみるとわかりますが、どのお薬も全く影響がゼロとは言い切れないといわれています。

例えば、ある抗不安薬(よく頓服として使用します)を妊娠4~15週の間に使用した場合、口蓋裂の可能性が一般の人が0.06%なのに対して0.7%になるという研究データがあります。

この0.7%をどうみるか。
0.06%の10倍以上と思うのか、発症する人は1%以下と思うのか。

薬によっても違いますし、妊娠初期、後期などによっても違ってきます。

お薬を使用しながら何の問題もなく妊娠・出産した人もたくさんいます。

ですからお薬の影響については確率論のお話になってしまいます。

主治医・パートナーと十分に話しあって下さい。

価値観、症状の安定度、薬をやめた時のリスク、年齢など、様々な点から相談していくこととなるでしょう。

どちらにしろ妊娠を希望される方は、薬以外の対処法も見つけておいた方がよいので、症状にもよりますがカウンセリングを選択肢にいれてもよいと思います。

FDA(米国食品医薬品局)が出している、精神科のお薬と妊娠時のリスクについて公表されていますので参考までに。

A~Xの意味は以下の通りです。
A:比較臨床試験において危険性が示されない.
B:人での危険性を示すエビデンス(科学的根拠)なし.
C:危険性を除外することができない.
D:危険性の確かな証拠.
X:妊婦への禁忌.
mは製薬会社による分類

抗てんかん薬
バルビタール系
フェノバルビタール フェノバール D
メフォバルビタール プロミナール D
メタルビタール ゲモニール D
プリミドン マイソリン D
ヒダントイン系
フェニトイン アレビアチン D
オキサゾリジン系
トリメタジオン ミノアレビアチン D
スルフォンアミド系
アセタゾラミド ダイアモックス C
スキサミド系
エトスキサミド ザロンチン C

ベンゾジアゼピン系
ジアゼパム セルシン D
クロナゼパム リボトリール D

イミノスチベン系
カルバマゼピン テグレトール Cm
バルプロ酸 デパケン D

抗精神病薬
フェノチアジン系
クロールプロマジン ウィンタミン,コントミン C
チオリダジン メレリル C
ペルフェナジン PZC C
ブチロフェノン系
ハロペリドール セレネース,ブロトポン,リントン Cm

抗不安薬
アルプラゾラム コンスタン,ソラナックス Dm
ロラゼパム ワイパックス Dm
ジアゼパム セルシン,ホリゾン D

抗うつ薬
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
フルボキサミン デプロメール C
パロキセチン パキシル D
三環系抗うつ薬
イミプラミン トフラニール D
アミトリプチリン トリプタノール D
クロミプラミン アナフラニール Cm
アモキサピン アモキサン Cm
四環系抗うつ薬
マプロチリン ルジオミール Bm

炭酸リチウム
炭酸リチウム リーマス D

ベンゾジアゼピン系
ハルシオン X
ドロレプタン C
ユーロジン X

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