浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
よく考え方の癖に出てくるものとして「べき思考」というものがあります。
~すべきだ、と考えて苦しくなるんですね。
「主婦であれば完璧に家事をこなすべきだ」
「弱音は吐かないべきだ」
とか、こんな「べき思考」をしていると追い詰められてきます。
べき思考をちょっとおいといてゆるく考えられるようになると楽になっていくんですね。
だからよく「べき思考」は直すべきっていわれがち。
このように悪者にされやすいべき思考ですが、本当にダメかというとそうでもありません。
「犯罪はするべきではない」
「信号は守るべきだ」
など、役に立つべき思考があります。
こう考えるとべき思考というものは必ずしも悪くないといえます。
むしろ役に立つ。
たとえば根拠のない決め付けをする癖がある人が
「あの人はきっと私のこと嫌いに違いない」
って考えればつらくなります。
しかし「なんとかなるさ」というのも根拠ない決め付けともいえますが、おそらく悩みにくい方向にいきます。
プラス思考というのも歪んだ考え方ですが、役に立つことが多いということなのです。
「考え方の癖」って使いようなんです。
悪い考え方があるわけではありません。
「役に立つ考え」「役に立たない考え」があるだけ。
べき思考もケースバイケースで役に立つこともあれば、立たないこともあります。
ですから考え方の癖に取り組むときには
「何が正しい考え方で間違った考え方なのか」ではなく「このべき思考は役に立っているかな」っていう姿勢で取り組んでいってもよいかもしれません。
考え方が自由になっていきます。
役に立っていないのならば、役に立つ考え方を探して行くといいですね。
べき思考をする「べき」ではない、というのもべき思考ですから。
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