「 2013年10月 」一覧

加害強迫の治し方

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の中でも結構多いのが加害恐怖。

道を歩いている時「誰かを突き飛ばしたのでは」
運転中「誰かを引いたのでは」
ということなんかが良くある例です。

振り返ったり、後で不安になったところに戻ったりしてい確認を繰り返します。

このような人が不安になった時
「誰かにあたった感触はないよな。怪我させたらおおさわぎになっているはずだし。大丈夫に違いない」
なんて頭の中で対処していると、どんどん悪化します。

当然周囲に確認を求めて、周囲がその確認に応じると悪化を強めます。

このような例の加害恐怖の場合の治し方について。

1.不安場面を避けずにあえて不安を引き起こすようなことをする
例:人ごみの中を大振りに手を振って歩く
避けているとどんどん不安は強くなるので。

2.頭の中で安心することではなく、もっと最悪のことを思い浮かべる
例:「もう誰かにぶつかって怪我をさせてしまった」と考える
頭の中で「大丈夫な理由」を探して安心させていると不安はもっと強くなり、症状を悪化させます。
だから逆のことを考えて強迫観念を受け入れていく訓練をします。

3.もちろん後で「一回」も確認しない
「一回だけ」をやってしまうと止まりません。
周囲も本人に「一回だけ」と確認を懇願されても応じてはいけません。

細かいことはほかにもありますが、大まかに言えばこんな流れです。

加害恐怖で悩んでいる方は参考にしてみてください。

加害強迫の方はこちらの記事もご参考に
・確認強迫と車の運転
・強迫観念への対応方法

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


手抜きをしてしまう心理

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

週末になると小中学校で運動会をやっているところがありますね。

運動会シーズンのようです。

私の出身の青森の地元では、運動会は5~6月でした。(青森でも地域にもよるのかもしれませんが)。

10月はちょっと肌寒いということでしょうか。

以前はこの時期に運動会というのに違和感がありましたが、だんだん馴染んできました。

さて、運動会の代表的な競技と言えば綱引き。

「みんなで力を合わせてがんばろう!」
の代表的競技。

しかし、ここで人間のダーク?な部分が出てきやすいことがわかっています。

心理学の実験では・・・

「綱を引く人が多ければ多いほど、一人当たりの力が弱くなる」

という結果が出ています。

つまり、一人だと一生懸命やるのに、誰かと一緒にやろうとすると手抜きをしてしまうわけです。

実験では
・人数が多くなればなるほど、一人当たりの力の強さは弱くなる
・女性よりも男性の方がその傾向が強い
という結果でした。

これは「社会的手抜き」と言われています。

綱引きに限らず「みんなで何かをしよう」とすると、ついつい甘えが出てしまうのかもしれません。

こんなことを知ってしまうと綱引きを見る時に
「この人たちは、手抜きをしているんだ」
となってしまいそうなので、あまり考えないようにしましょう・・・。

十分な力を発揮したいと思った人はこちらの記事も参考にしてください
・冷静な判断をするには
・どのくらいの不安が最適?

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悩み続けるのを止めるためには

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

どんな時に嫌なコトや不安なことをグルグルと考えていますか?

うつでも不安でも過食でも、どんな時に不快・不安なことを考えやすいかというと・・・

暇な時・時間がある時

です。

何かをやっていて集中している時は良いのですが、
・一息ついたとき
・日中やることがない時
・夜間
・お風呂に入っている時

など、結構嫌なことを考えやすいのです。

「思い出さないようにしよう」
と思うともっと思い出す習性が人間にはあります。

一日中自宅にいる人は嫌なことを考えやすくなります。

ケースバイケースですが、こういう時は暇な時間を作りすぎないこと、今やっているコトに注意を向けるということが有効です。

どんな活動をしたらよいかというと、基本的には別になんでもいいのです。

趣味とかそういうのではなくても、ちょっとこういうことやっているとマシかなぁ、くらいのことでも。

また
自分がどんなことをしていたらもっと充実した生活ができるか、
不安に囚われていなかったらどんな活動がしたいか、
という質問を自分に投げかけてみてもいいかもしれません。

ついつい時間がある時に考えてしまう人はこちらの記事も参考にしてください
・いつまでも悩みっぱなしの人の特徴
・心の病気は休んでも良くならないことも多い
・心配で眠れない場合の対処

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大食いしても太らないワケ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

テレビで大食い選手権なんてやっています。

芸能ネタのようになっていますが、何人かの出場した人が過食症であることを告白していますね。

食べた後に吐いていたと。

テレビに出ている人みんながそうかどうかはわかりませんが、やはりあれだけ食べることができるのには理由があるわけですよ。

過食の主な原因は普段食べるものを制限していることです。

食事制限をしていると、逆に食事のことばかり考えるようになります。

生活は何をどう食べればよいのか、「食べたい」という衝動、に支配されていきます。

だから食事制限をしている職業の人は過食症になりやすいことが昔から指摘されてきました。

ボクサー
フィギアスケート選手
柔道選手
マラソン選手
モデル
芸能人
・・・などが代表的です。

ストイックに食事制限をするということはかなりのリスクがあると思ってください。

テレビでモデルさんなんかをみてきれいだなーと思っていても、過食で苦しんでいる人もいるのです。

過食などで食事に支配されてくると、
栄養士、フードコーディネーター、料理人など食事に関連した職業に就きたいと思う人が出てくることも指摘されています。

摂食障害になってしまうプロセスの心理学実験をしたこちらの記事も参考にしてください。

過食症は食事制限をしていると良くなりません。

かといっていきなり食事制限を解くこともできないと思います。

少しずつ食べられるようにしていって、食事に支配されない生活を手にいれましょう。

過食症で困っている職業の方はこちらの記事も参考にしてください
・スポーツ選手と摂食障害
・過食症の治療はどんなことをするかについて
・体重計にのりすぎると

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