「 2013年07月31日 」一覧

摂食障害の家族向け書籍

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今回は書籍のご紹介。

対象は摂食障害の「家族」向け。

「摂食障害は親の養育態度が原因」という全く根拠のないことを書いてある本ばかりの中、まともな書籍を発見。

意外にきちんとした家族向けの本って少ないのです。

家族で支える摂食障害 原因探しよりも回復の工夫を
伊藤順一郎 編
保健同人社

認知行動療法や対人関係療法の本ではなく、家族が摂食障害に直面した時の基本的な知識・対応について書かれています。
・摂食障害の家族による座談会
・過食は止めた方がよいのか?
・どこに相談にいったらよいのか?
・相談する時のポイントは?
・下剤への対応は?
などなど。

読みやすい本です。

これから知識をつけようとしている人には良いかもしれません。

逆に結構知識がある人には物足りなく感じるかもしれません。

良くも悪くも基本的なことが書かれているので「実際のところは・・・」という部分にやや弱いかも。

専門家に相談しながらがベターです。

また家族にできることが書かれているだけなので、どのような治療をしたらよいかまでは書いていません。

相談しに行った先で「摂食障害になったのは家族のせい」って書籍に書いてあることとは逆のことを言われる可能性もあります。
日本では科学的根拠に基づいた治療が広まっていないので・・・。

そうなったら「これからどうすればよいか?」を考えてくれるカウンセラーを探しに行った方がよいと思います。

興味のある方は参考にしてください。

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