行動して失敗したら後悔は強くなる?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「やらないで後悔するより、やって後悔した方が良い」

あたかも行動した方が後悔が少ないように思えるセリフです。

このセリフで勇気をもらって行動する人もいるでしょう。

それはそれでよいのですが・・・本当にそうなのか?って考えたことあります?

実を言うと心理学的な実験では

やらないで後悔するより、やって後悔した方が後悔の度合いは高い

という結果が出ています。

想像してください。
AとBどっちが後悔すると思います?

A:じゃんけんでいつもチョキを出していた人がグーを出され負ける。

B:じゃんけんでいつもパーを出していた人が「今回はチョキを出そう」と思いチョキを出して負ける。

Bと答えた人が多いのではありませんか?

結果は同じく負けたとしてもこうも違うわけです。

正確なことを言うと行動するかしないかではなく、
いつもと違った行動(いつもの基準とは違った行動)をした方が後悔する
というもの。

パスタ屋さんでペペロンチーノがおいしくて食べていた人が、カルボナーラを食べたところ、おいしくなかったら「いつもと同じにすればよかった」と後悔の度合いは高くなります。

「思いきって行動して失敗した方が何もしないでいるより後悔する」という結論なので、なんとまぁ夢のない話ではありますが。

ただ今回のお話は「後悔の度合いが高いから行動しない方が良い」ということを言いたいのではありません。

後悔を恐れることでかえってうまくいかなくなることもあります。

不安が主な症状で悩んでいる人はリスクを恐れすぎる傾向があるようです。

いつも玄関のカギを何度も確認している強迫性障害の人ならば
「もし玄関のカギを確認しないでいたら泥棒に入られるのかもしれない。後悔しないように鍵を確認しよう」とか。

いつもと違う「確認しないで家をでる」という行動は「万が一」のことがあった場合の後悔の度合いが高いと感じるのです。

たとえ何十分、何時間と何度も確認してしま苦しさがあっても。

だから変化を恐れて悪循環にはまります。

何かを変えよう、今の生活を変えようと思えばリスクはつきもの。

リスクは引き受けていかなくてはいけません。

リスクを恐れて自分の望む生活を送れないのであれば本末転倒。

不安で悩んでいる人は「リスクを避ける」のではなく「リスクを取る」と、生活が楽しくなっていきますよ。

ちなみに今回の心理学の実験には、もう一つの結果があります。
行動してうまくいくと、何もしないよりも楽しくなる

今の生活が楽しくないと感じている人は参考にしてください。

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