「 2013年05月 」一覧

治療は最後までやらないと・・・

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

パニックとか強迫性障害とか対人恐怖的な不安で悩んでいる人が認知行動療法を受けて練習してもらうと、良くなっていく実感をしてもらえると思います。

人にもよりますがきつくてもきちんとやってもらえれば、数週間でかなり不安から自由になります。

出来なかったことが出来るようになり、楽になってくるでしょう。

ただ・・・ここで一つ落とし穴があります。

以前より良くなったからといって
「これくらい良くなったから、これ以上不安なこと練習してくていいや」
と思うこと。

例えば、パニックの人が普通の電車は乗れるようになったけど快速は怖いまま。
「普通電車に乗れればいいや」と思って快速の電車に乗らないでおくと再発しやすいのです。

不潔強迫の人であれば、リビングは外出先から帰ってきた服でも大丈夫になったけれど、寝室はダメなままとか。
この状態は治っていませんし、治療をやめると再発しやすいでしょう。

不安で苦手なところを残しておくと再発しやすいですし、今まで克服したと思っていたこともまた不安になってきます。

ですから不安なところは最後までやりきらなくてはいけません。

不安なことから逃げても、後で困るだけ。

ちゃんと良くなるまで練習していきましょうね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


夏だからといって食事制限してはいけません。

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

少しずつ暑くなってきましたね。

薄着になる機会が増えます。

薄着になると、ボディラインが気になりダイエットをしようとする人もいますよね。

ダイエットというとすぐに食事制限に陥りがち。

食事制限で一時的に痩せてもリバウンドの可能性が高いのです。

ある調査では〇〇ダイエットという名のつくものは5年以内に9割はリバウンドするという結果になりました。

これだけ毎年のようにダイエット法が出ているわけですからね。

普通のダイエットは意味がありません。
それどころか過食症など摂食障害のきっかけになります。

過食の要因の一つは食事制限をしていることです。

過食の時に食べているものっていつも我慢している食べ物だったりしていませんか?
我慢しているうちはずっと食べ物に囚われてしまいます。

ちなみに過食して吐いている人がいますが、吐いても結構な割合のカロリーがすでに吸収されています。

吐いたから帳消し、とはならないのです。

下剤の飲んで痩せたように感じている人もいますが、あれば水分が抜けて体重が落ちるだけで脂肪が減っているわけではありません。

痩せるどころかむくみやすくなり、太ったと感じる→下剤の使用→むくみ太ったと感じるの悪循環になります。

過食をやめるためには、食事制限をやめなければいけません。

過食のある人、これからダイエットをしようとしている人は気をつけましょう。

これからダイエットをしようとしている人はこちらの記事も参考にしてください
やってはいけないダイエット

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誘惑に負けないためには

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

誘惑に負ける、ってありますよね。

勉強しようと思ったけど、ついついテレビ見てしまう。

お菓子を食べ過ぎないようにしよう、と思っても食べてしまう。

誘惑に勝つことは結構大変なんです。

どうしても短期的な快楽に逃げ込みたくなりますからね。

簡単に誘惑に勝てる方法はありませんが、少しでも誘惑に乗らない確率を高めることはできるかもしれません。

一つの方法として選択肢を狭める、といいかもしれません。

勉強するVSテレビを見る、となると2つの選択肢があるわけです。

選択肢があるから、誘惑に負けてしまうわけです。

こういう時は選択肢がない環境に作ることが大事です。

例えば、テレビのない環境(図書館に行くとか)で勉強する。

お菓子のない環境(食べ物を置かない)にする。

まぁ、当たり前のことですが実践していない人が多いのでは。

どうも意志というものに頼ってしまって、環境づくりを軽視してしまいがちなんです。

目の前に「エサ」があるところで我慢をするというのは大変。

「食べてはいけない」「食べたい」という選択肢があるから葛藤する。

そうすると誘惑の方が勝ちやすくなります。

意志って強く保てないもの。

ですから誘惑と勝負をしない方が良いのです。

勝負は放棄して、誘惑のない状況を作り出しましょう。

ですから誘惑に負けやすい人は
「誘惑に負けず意志を強くもとう!」
と思う前に、選択肢を減らして「やる以外の選択肢はない」という環境を作ってみるようにしてみてください。

やりたくなくても、やらなきゃいけないことがあるって人はこちらの記事も参考に
冷静な判断をするには
嫌だなぁと思うことをやるには

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強迫性障害の家族への間違ったアドバイス

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害は家族を巻き込むことが多々あります。

家族に確認を手伝ってもらったり、家族にも手洗いを強要したりするなど。

これに家族が本人の言うことを聞いてしまうと症状が悪化していきます。

そして家族の巻き込みもさらに強くなります。

これをできるだけ早い時点で食い止めなければなりません。

しかし、医療機関でも
「家族は本人の言うことをきいてあげて、安心させてください」
というアドバイスをされることが多々あります。

もちろんこのアドバイスは間違いです。

そのアドバイスで良くなるなら良いのですがどうでしょうか?

まず治っていないことがほとんどでは?

症状は悪化し、家族への巻き込みがひどくなっていきます。

残念ながら医療機関でも間違った方法を指導されていることがあるようです。

結果として何年も薬を飲み続け、それほど症状が改善されていないのではありませんか?

「強迫は良くならないから、付き合っていきなさい」
という絶望的なことを言われることもあるようです。

もちろん、これは間違いです。

強迫は治療すれば良くなっていく可能性が高い代表格。

簡単ではありませんが、行動療法で良くなっていくという科学的根拠があります。

日本での医療は薬物療法が主なので、行動療法はすすめられることは少なく、自分から希望して行動療法ができる医師や臨床心理士を探さなくてはいけません。

これを知らない人が結構多いと思います。

正しい知識を得るためには、どこの医療機関にいってもよいということはありません。

強迫性障害をきちんと見てくれる専門家のもとにいかないとなかなか良くならない結果となります。

相談機関は慎重に選びましょう。

強迫性障害の人はこちらの記事も参考にしてくださいね
・長い間強迫性障害でも良くなります
・不潔強迫・洗浄強迫が良くならないならチェック
・強迫性障害の家族が注意したい対応

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家族があたたかく見守るのは結構難しい

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつ病を患っている人の家族の対応として、よくいわれているのが「あたたかい無関心」というもの。

簡単言うと励ましたりしないであたたく見守っている姿勢が大事ということ。

これはうつ病に限らず心の病気の家族に共通するものでもあります。

教科書的にはあたたかい無関心でいきましょう!ってなっていますが、これって結構難しい。

一般的に言われるように、薬飲んで休んでいて良くなっていれば、こじれません。

しかし、なかなか良くならない場合が問題。

なかなか良くならない病気の本人をみると、
「やる気ないの?」
と口出ししたくなってしまう。

また、最近の「うつ」は昔から言われてきた
「自分が悪い」という人より
「家族が理解してくれないから良くならない。うつの人を励ますなんてわかっていない。家族が自分の対応を学ぶべきだ」
という、家族を責めるような「うつ」の方も多くなってきています。
このようなタイプの場合、薬と休養ではうまくいかないことが多いでしょう。
むしろ悪くなったりすることも。

イライラしてくるし、だんだん家族がうつっぽくなることが多々あります。

「うつ」の家族の対応といっても、現在の「うつ」はある意味多様化してしまっていたり、実は双極性障害でうつ病ではなかったなどあるので、教科書的な対応ではうまくいかないことも多いのです。

あたたかく見守っているだけでは、何も進まないことだってあります。

このあたりは専門家と相談しながらすすめないといけないことでもありますけど。

どちらにしろ、家族もストレス管理をしないといけません。

余裕がないとあたたかく見守ることなんてできません。

まずは家族が自分の時間を持つことが大事です。

気分転換の時間を作るのです。

気分転換に罪悪感を抱く家族の方もいますが、心の余裕がないとうまい対応なんてできないのです。

人と話したり、趣味をしたりするなどストレス発散するとよいと思います。

自分の健康を保つことが、病気の本人の助けになります。

ご家族もあせらず体調管理をしていきましょう。

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投票率を上げる心理学

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

先日、さいたま市長選挙がありました。

投票率が30%台と少し低いようでした。

こういうことがあるとどうやったら投票率を上げることができるのか、と話題にあがります。

これで
「みんな選挙にいかないなんてダメだ。市民意識が弱い」
と、市民を責めてはいけません。

「みんな選挙に行っていない」
とわかると
「みんないっていないんだからいかなくていいんだ」
と考えやすい心理的な傾向があり、もっと投票にいかなくなります

心理学の実験では
「あなたは投票を通じて政治に参加する、平均より意識の高い市民ですよ」
とレッテルをはってあげると、実際に投票に行く確率が高くなるという研究結果がありました。

これはラベリング・テクニックといって、「あなたは〇〇な人なんですよ」というと、その通りになる傾向があるというやつです。

この原理を応用すれば、さいたま市の投票率を上げたいと思ったら
「さいたま市民は市民意識が高いから、みんな選挙にいってるんですよ~」
と宣伝すれば投票率が上がるということになります。

これを日常生活に応用するとすれば、家事を手伝ってくれない夫や子どもに
「あまり家事を手伝ってくれない人だよね。言わなきゃやってくれないの?」
というより
「何も言わなくても家事をよく手伝おうと努力してくれているよね」

あと、心の病気を治そうとしている家族に
「全く努力してないよね」
というより、
「少しでも良くなろうとして動き出そうとしてるんだよね」
と「繰り返し」やっていると、少しずつ変わってくる・・・かもしれせん。

どちらにしろ、相手を責めるよりはいい結果になるんじゃないかなぁと思います。

言葉は伝わっていくものですからね。

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5月病対策は薬以外も考えて

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

5月病やらなんやらと言われている季節です。

新しい環境に馴染むことが難しくなって、悩んでいる人もいるでしょう。

最近では「すぐに精神科・心療内科へ」という、早めに受診しましょうという風潮もあり、病院を受診し薬を使用する人も増えているようです。

早めに「うつ」を発見し、重篤な状態になる前に「治療」しましょう、というもの。

これはこれで良いとは思いますが、肝心なところを忘れないようにした方がよいでしょう。

以前にも書きましたが、お薬が・・・

嫌だった仕事をやる気にさせてくれるわけではありません。

悪かった人間関係を改善してくれるわけではありません。

さみしさを感じていた生活から脱出させてくれるわけではありません。

生活の空しさを充実したものに変えてくれるわけでありません。

理想の生活と現実の生活とのギャップを埋め合わせしてくれるわけではありません。

人生に関する悩みの多くは自分で解決の糸口を探っていけなくてはいけないです。

薬は体調を整えるなど解決を考えられる土台を作るような役割をしているようなものです。

何度でもポジティブにしれくれるなど、人生の悩みそのものを解決してくれるわけではありません。

うまく新しい環境に適応できていないのならば、何をどうしていけばよいか、落ち着いて整理していくことが必要です。

そこはカウンセリングでお手伝いできるところかもしれません。

時には不安なことに直面し、切り抜けていかなければいけないこともあるでしょう。

お薬に頼るべきところ、自分で問題に直面して解決していかなければいけないことをきちんと把握していきましょう。

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メールはすれ違いやすい

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私はスマホにしてからも、充電は2~3日に一回です(普通の携帯の時は週に一回)。

ほとんど使いこなせていないに違いありません。

人に用があれば会って話をするし、メールも短くすましてしまう。

LINEもFBもツィッターもしません(今後はわかりませんが)。
そもそもシステムがわかっていませんしねぇ・・・。

ブログは長文が多いのでPCでないと面倒でやりたくない。

多分、多くの人が「人とのつながり」「共有」に使っている部分を使っていないのでスマホの充電がもつのかなと。

完全に時代とは正反対をいっています。

しかしですね、むしろこんな時代だからこそ、生の人間関係で大事なんじゃないかなって思うんです。

本当の寂しさって、デジタルというかバーチャルの部分で埋め合わせはある程度できるけれど、やっぱりそれだけじゃ足りないんです。

生の関係は煩わしいし不便なこともあるけれど、そういうことからいま流行りの「絆」って生まれるんじゃないのかなと考えています。

まぁ、私が単に機械を使いこなせないだけの言い訳でもありますが・・・。

さて、今回メールにちなんだ話題。

友人にメールをしたけれど、なかなか返信が来ない。

あなたならどう思います?

・「何かマズイことしなかな」
・「嫌われているのかな」
と感じて悩む人が多いようです。

特に若い世代は気にされるような気がします。

メールがこない他の要因をなかなか思いつかないこともあるでしょうね。

例えば
「忙しいのかな」
「気づいていないのかな」
「すぐに返事してこないタイプの人かな」
「ちょっと忘れているのかな」
とは、考えにくいようです。

メールは便利な手段ですが、返信までの時間や細かいニュアンスが伝わらなかったりですれ違いになることもあります。

解釈のズレで、悩むきっかけになることも多いようです。

解釈の幅は広げて考えていきましょう。

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人から「変な人」と思われるのが怖い

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

・人前で緊張する
・どう思われているか気になってしょうがない
・赤面してしまう
・人前で震えてしまう

こういう症状で悩む方は多いのでですが、こういうことで悩む根本的な不安というのは・・・

「人から否定的な評価を受けることを恐れている」

というもの。

人前で緊張することが怖いのではなく、緊張していることを知られて否定的評価をされるのが怖い。

赤面してしまうのが問題ではなく、赤面して人から「変な人」と思われるのが怖い。

赤面や震えが怖いわけではないのです。

ですから表面的なところばかり扱って「緊張しなきゃいいんだ。緊張しない方法を探そう」としたってうまくいきません。

否定的な評価を受けてしまう不安について取り組んでいく必要性があります。

本当に否定的な評価を受けているのかを確かめてみたり、否定的な評価になりそうなことに挑戦してみたりすることで、症状が改善していきます。

まず第一歩として自分がどのような否定的な評価を受けると思っているのか、を把握しましょう。

その上で
「自分の思い過ごしなのはわかるが不安」
「自分が思っている不安は当たっている可能性が高い」
と、思った人は・・・これまた専門家に相談しましょう。

人前で緊張してしまう人はこちらの記事も参考にしてください
・人前での自己紹介-苦手な人がやってはいけないこと

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パニック障害の人はコーヒーを飲んではダメ?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私はコーヒーが好きです。

時間のある時は、挽いた豆から作るようにしています。

コーヒー好きなのに、カフェインをとりすぎてはいけない、という理由で避けている人もいますよね。

その中でパニックの人は一度考え直してもいいかもしれません。

カフェインをとることでパニック発作が出やすくなる、ということでカフェインを制限しましょうというふれこみがほとんどですよね。

確かにカフェインの取りすぎには注意しましょう、というのが基本的なものです。

しかし、怖がりすぎて
「絶対コーヒーは飲めない」
「お茶も飲めない」
「チョコレートも怖い」
となっている人がいたら注意です。

そういう人って、発作を怖がり続けています。

生活範囲を狭めた上で安定しようしている人が多い印象です。

コーヒー=発作が起こる、と考えているうちはなかなか克服できないのでは。

良くなったとしても、ちょっと発作のような感覚を感じると、またもとに戻りやすいかもしれません。

発作を起こしてはいけない!を目指すのではなく、「起こってもなんとなる」を目指さないといつまで経っても怖いままです。

すでにカフェイン恐怖のような状態になっている人は、あえてカフェインを摂取し、不安に直面していくという方法をとる場合もあります。

そのようなやり方をする治療法も効果があるという科学的根拠があります。

ですからパニックの人がカフェインを絶対にとってはいけない、ということではないのです。

ちなみに、このようなやり方は一般的なパニックのパンフレットなどには書かれていません。

認知行動療法の中でもちょっと専門的なやり方なので一般の方は知らない人も多いでしょう。

ですから認知行動療法の専門家に詳しいやり方をききにいきましょう。

コーヒー好きなのにコーヒーを避けているパニックの人を見ると教えたくなります。

パニックでコーヒー好きの人がいたら、コーヒーを飲むことをあきらめないようにしてください。

パニック障害の方はこちらの記事も参考にしてください。
乗り物が苦手な人がやってはいけないこと
パニック障害でなかなか良くなっていない人が振り返ると良い点

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