浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
前回の続きです。
私がおすすめする、うつ病の認知行動療法の本についてです。
そんなこと宣言しておいて、迷いました。
いろいろおすすめしたい本はあるので・・・。
ただおそらく多くの人があまり読んでいないんじゃないかなと思う本を今回はご紹介します。
「うつを克服するための行動活性化練習帳 認知行動療法の新しい技法」
創元社
前回の記事で日本人が書いた本がおすすめといっておきながら、訳された本です。
すみません。
認知行動療法というとどうしても「考え方を変える」というキーワードに注目してしまいます。
場合によっては考え方を変える技法ばかりが認知行動療法と誤解されるようです。
実際は違っていて、この本はそれ以外の代表的な認知行動療法の技法である「行動活性化」という技法について書かれています。
この行動活性化という技法は簡単に言うと、うつ状態になったときにどのような行動をしたらよいか、について書かれています。
以前の記事にも書きましたが、認知行動療法のいろんな技法を混ぜ合わせた場合と、行動活性化だけをした場合を比較した実験で、効果としては同じだったという研究があります。
つまり、マイナス思考などの考え方を直接変えようして扱わなくても、行動を変えていくことでうつ病はよくなる可能性が示されたと言えます。
私のカウンセリングでも、考え方を扱わなくても、行動を変えていくだけで良くなっていく経験がたくさんあります。
見てもらえるとわかりますが、結構単純です。
簡単にぱっとよくなる、おいしい方法ではありませんよ。
ちょっと見ただけだと「そんなのできない」と考えるでしょう。
しかし、実行してもらえると良くなる可能性は高くなると思います。
ワークブックになっているので2ヶ月間くらいかけてじっくりやりましょう。
興味のある方は試してみてください。
次回は、このような本を使う場合の注意点について書きます。
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