浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
過度なダイエットは摂食障害のきっかけとなります。
10代から20代にかけて始まることが多いです。
危険とわかっていても過度にやってしまうダイエット。
思っている以上に摂食障害になってしまうと大変です。
こんな有名な実験があります。
アメリカで第2次世界大戦中に行われたものです。
アメリカ人男性を集め、6ヶ月間食べ物の制限をし(一日1570キロカロリー)、体重を25%程度まで落としました。
そうするとどういうことが起こったか。
・食事量が多くなる
・抑うつ気分の増加
・イライラ
・自傷行為
・過食嘔吐
・食べ物のことばかり考える
・基礎代謝の低下
・体温の低下
・毛髪が細くなる
・皮膚が青白く、カサカサになる
・引きこもり傾向
・無気力
・耳鳴り、ちょっとした音が気になる
・むくみ
などなど、精神面・身体面に摂食障害の人が起こしやすい症状をあらわれました。
実験の後も影響は続き、食べても満足しなくなっていきました。
実験から示唆されるのは、摂食障害の人が悩んでいる多くの症状が飢餓状態から生じているものだということです。
つまり食事制限は、食への関心を強くし、時には過食になり、外見を変化させ、精神的に不安定にしていきます。
そうすると、さらに強い食事制限をします。
このようにして負のスパイラルに陥るのです。
食事を抜くとか、炭水化物・甘いものを全く食べないとか、軽い気持ちでやってしまうことは思っている以上に危険なのでやめましょう。
ダイエットをしたいときは運動、規則正しい生活、バランスの良い食事など「地道」が一番です。
しかし、この「地道」な方法が一番受け入れてもらいにくいダイエット法なのですが・・・。
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