認知行動療法はどんな人に向いていて、向いていないか

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

どんな人が認知行動療法をするのに「向いているか」「向いていないか」ということについて。

認知行動療法は様々な疾患に有効であるというデータがあります。

ただし、原因探しをする方法ではありません。

心の病気の原因は基本的に不明です。

原因探しをしなくても、良くなる可能性はあるのです。

「原因がわからなければ、解決方法はない」ということはありません。

認知行動療法は原因ではなく、維持要因(考え方や行動の悪循環)に焦点を当てます。

それによって症状が回復していくのです。

このため、
症状の原因を両親の養育態度や無意識の葛藤などの
原因探し(原因であることはないんですけどね)、
悪者探しをしたい人、

には向いていません。

親に謝罪を求めるなど、誰かのせいにすれば一時的には楽になるかもしれません。
しかし、誰かのせいにしているうちは苦しい現状が変わることはないでしょう。
また無意識の葛藤が症状の原因であるという根拠は何一つありません。

例え過去につらいことはあったけれども、
これから自分の人生を生きていきたい、
自分で症状に対処できるようになりたい、
そのためにはどうしたよいかを知りたい、

という人に認知行動療法は向いていると思います。

また「今すぐにこの不安を解消してほしい」という人には向きません。

そのような人は薬を飲んだ方が良いでしょう。

不安はゼロにすることはできないからどう不安と付き合っていけばよいか知りたい、
「不安を感じたら頓服だ」から脱したい、
「なにもせずに不安を解消させるようなそんなおいしい話はない」ということを自覚している、

という人には向いていると思います。

さて、あなたはどうでしょうか?

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