浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
ちょっと前までブームであった「脳トレ」。
私はやったことはありませんが、「脳が若返る」と思って買った人も多いのではありませんか?
しかし「脳トレ」によって脳が鍛えられるかどうかについては、議論になっています。
海外なんかでは「脳トレは科学的根拠がない」と結論付けている主張が多いようです。
例えば簡単な計算問題をやっていると、計算問題に対して処理速度は速くなっていくのですが、それが脳を鍛えているかどうかは別問題。
簡単な計算問題が早くできるようになったからといって、物忘れが防げるという強い根拠はきちんと示されてはいません。
また、脳トレは「学習療法」として介護施設なんかでお年寄りにやっていることが多いのですが、学習療法をやっている時に介護スタッフが褒めたり働きかけたりしていることなどが影響しているのであって脳トレの要素自体はそれほど重要ではないのでは?という意見もあります。
私はこのあたりの議論についてはそれほど詳しくはないのですが、どちらにしろ日本人の多くが今のところ科学的根拠に乏しい脳トレについて無防備に信じていたように思えます。
それこそ「脳トレはテレビでやっているし、大学の先生が言っているし、売れているから正しいに違いない」と、思いこまされているのかもしれません。
医療・福祉業界の人間であっても、脳トレに疑問を抱かず無条件に受け入れている人が多いです。
個人的には脳トレはやらないよりマシという程度のものかなぁという印象です。
本人が楽しんでやっていれば、何もしないよりは良いのでは?
楽しむということを超えて「脳を鍛える」となっているから問題になるので。
もしかして脳トレをやることではなく、楽しんでやっていることが「脳を鍛える」ことになっていたりして(もちろん科学的根拠はありませんけど)。
でも、脳が鍛えられるという名目がなければやりませんよね・・・。
「脳を鍛える」「脳に良い」と言われているものがたくさんありますが、根拠に乏しいものもたくさんあります。
テレビでやっていたり、専門家が言っていたからといってそれが本当とは限りません。
気をつけましょう。
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