「 2011年09月 」一覧

うつ病治療と認知行動療法

臨床心理士の鈴木です。

うつ病の典型的な治療としては
①薬物療法
②休養
③認知行動療法

が、挙げられています。

薬と休養はやったことがあっても、認知行動療法をやったことがある人は少ないでしょう。
これだけマスコミに取り上げられいるのにもかかわらずです。

何度もこのブログでも言っていることですが・・・やはり認知行動療法を実施している機関が少ないのです。

「精神科医師や臨床心理士であれば、認知行動療法について専門的に学んでいるだろう」
という発想は間違いです
ほとんどが書籍で見たり聞いたりした程度です。

このため、十分に認知行動療法をやってもみても構わない人に対して
「あなたに認知行動療法は合わない」
「あんなのやっても意味がない」
と専門家からアドバイスされることが起こっているようです。

つまり、実施している機関が少ないのと、専門家に聞いてみたら否定的意見を言われるので、さらに認知行動療法から遠のくといったことが起こっています。

出来る限り最適な治療を受けたいと思っている患者さんにとって、この状況は好ましくはないでしょう。

臨床心理士全体の比率から考えて、認知行動療法を中心にしている人は少数派だと思います。
10年前と比べると大分増えてきましたけどね。
メディアの影響は大きいですね。

微力ながら患者さんが認知行動療法を普通に受けられる日が早くくるように地道に頑張っていきます。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています


パニック障害の悪循環からの脱出

臨床心理士の鈴木です。

パニック障害になると、パニック発作が怖くなります。
「また起きるのでは」という心配が強くなってくるでしょう。
そうすると発作が起こっては困る場所を回避するようになってきます。
はじめは電車や車、だんだんスーパー、コンビニ、レジに並ぶ、美容室を回避し、自宅に引きこもるようになるかもしれません。
自宅に引きこもっても一人では怖くなり、どんどん生活範囲は狭まってきます。

このようにパニック発作を恐れて回避している生活を送っていると、どんどん不安は大きくなっていきます。

回避をしていていきなり「治った!」となる可能性は低いでしょう。

これを克服するためには、不安でもその場にとどまる練習をする必要ができてます。

こういうと「それができないから困っているんじゃないか!」と、つっこみをいれたくなるかもしれません。
それは思うのは当然です。
長い間、怖くてできなかったことをするわけですからね。

ではパニック障害でカウンセリングに来ている方は、どのようにしているかといいますと・・・
いきなり怖い場面に挑戦しても「やっぱり怖かった」とさらに怖くなるので、事前準備をします。

そして、だいたいは不安時の心持や対処法を学んだり、私と一緒にやることによって、だいたいは不安な場面にとどまることはできるようになっています。

やればやるほど良くなってきます。
やらなければ今のままです。

何事も行動が大事ですよ。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
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または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています


「心理カウンセラー」になるためには・・・

臨床心理士の鈴木です。

今日は、昨日に引き続き社会福祉協議会の職員さん対象の研修講師2日目です。

昨日の研修で声を出し過ぎたので今日の喉の調子が心配でしたが、大丈夫でよかった。
喉は大切にしないといけませんね。

今日もほとんど2時間しゃべりっぱなしでした。

研修を受けた多くの方が臨床心理士を見たことがないそうです。
私が「初」臨床心理士だそうです。
珍しいといわれます。

でも日本には2万人もいるんですけどね。
特に首都圏では余っているくらいです。

ちなみに「心理カウンセラー」は誰でもなれます。
そう!このブログを見ているあなたでも。
心理カウンセラーになるためにはどうすればよいかというと・・・

「私は心理カウンセラーです」と宣言すればよいのです。

そんな資格はないので誰でもなれるわけです。
「評論家です」
というのと同じようなものです。

あとカウンセラーの資格はいろんなものはありますが、お金を払ってちょっと研修を受けると取れるものがほとんどです。

う~ん、そんな現状でよいのだろうか。

怪しげな「治療院」もたくさんあります。

気をつけましょう。

カウンセラーを探している人は、私がいうのもなんですが臨床心理士を持っている人を探した方が無難です。

さて、研修の方は何とか無事終わりました。
今日はずっと立ちっぱなしだったせいか、腰が痛くなりました。
歳かな・・・。
今度は座ってお話しよう。

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講演会講師をやってきました-専門家のうつ

臨床心理士の鈴木です。

今日は大宮でさいたま市社会福祉協議会の職員さん対象の研修をやってきました。
ほとんどが看護師さんなど医療、福祉の専門家の方です。
人数が多いので2日間やります。

今日は一日目。
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基本的なテーマはストレスマネジメントですが、リクエストがあり、うつへの対応や精神科的な基礎知識についてもお話してきました。

リクエストにこたえるため、2日前に資料の半分を作り変えるというバタバタはあったものの、何とか資料づくりが間にあいました。

よかった・・・。

色々と事情があり演習はなしで、ちょっとした性格テストをやってもらった以外は、私のトークのみの研修です。
2時間しゃべりっぱなしです。

ちなみに私は普段無口な方です。
多分・・・。

さて、対人援助を行う専門家の人はストレスが多いといわれています。
その人たちのストレスをどう処理していくか、というのが今回の主なテーマでした。

こういうストレスに関する対処として
「リラックスしましょう」
「気分転換しましょう」
「プラスに考えましょう」
ばかりが言われていますが、これでは悩んでいる時にうまくいかないものです。

リラックス、気分転換しようとしても嫌なことばかり考えるし、そもそもプラスに考えられたら悩んでいません。

そこをどうすればいいかについてお話してきました。

終わった頃にはやや声がかれていました。
はりきりすぎたかもしれません・・・。

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パニック発作の解釈の仕方

臨床心理士の鈴木です。

皆さんは動悸が起こったらどう思うでしょうか?

普通は「ドキドキしてるな」程度でしょう。

これがパニック障害になると「発作の前兆では」「心臓発作では」「倒れてしまうのでは」と思うかもしれません。

他にも「気が狂ってしまうのでは」「大声でさけんでしまうのでは」など。

このようにパニック障害の方は体の感覚に対して誤った解釈をしてしまう傾向があります。
実際には発作によって「気が狂う」ことはありません。

そのような解釈をしていると「今度もそうなるのではないか」と予期不安がおこり、予期不安自体が動悸や息苦しさを伴うので悪循環を引き起こします。

パニック障害で悩んでいる方は
①パニック発作に対する解釈の仕方が状態の悪化・持続をさせている可能性があること
②発作の時に起こる身体症状は不快ではあるけれど、危険なものではないこと

を理解しておく必要があります。

ただ多くの方はこのことを理解しても「怖いものは怖い」と思うわけですが・・・。
怖さに関しては対処方法はありますのでご心配なく。

まずは症状に関する知識をもつことが治療の第一歩です。

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埼玉での認知行動療法実施の機関

臨床心理士の鈴木です。

埼玉で認知行動療法を実施している機関も少しずつ増えてきました。

しかし、患者さんから内容を聞くとずっと考えていることに対して質問などをして新しい考えを出す方法(コラム法、認知再構成法)だけを行っていることが多いようです。
だいたい認知行動療法=プラス思考にする方法、表に考えをまとめる宿題が出る方法、と誤解をしています。
「そんな風に考えればよいのはわかるけれど」「面倒だ」という結果に。

そのような「認知行動療法」を年単位で続けて全く良くならずに認知行動療法に対して不信感をもっている方をたくさん見てきました。

ずっと表に文字を書きこむだけの「認知行動療法」を受けていませんか?
それで「認知行動療法は合わない」と思っていませんか?

実は医師や臨床心理士の中でも認知行動療法=プラス思考にする方法、表に色々記録する宿題が出される方法と誤解している人が多いのが現状です。
まだまだ日本では認知行動療法がきちんと広まっていないのです。

以前ある自治体が出していた不安障害のパンフレットにも「認知行動療法はプラス思考にする方法です」と書かれていたことがあります。
また、専門家から「認知行動療法は大変な方法だからあなたには合わない」と言われることもあるそうです。
こんな状況では患者さんが誤解してしまうのも仕方がありません。

う~ん、埼玉でも認知行動療法の普及にはもう少し時間がかかりそうです。

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美容室の会話が苦痛

臨床心理士の鈴木です。

髪を切りにいくと、いつもアシスタントの人がまず髪を洗ってくれます。

私はその時の会話があまり好きではありません。

だいたいどの人も
「今日はお仕事ですか?」
「今日は天気が○○ですね」
「これから何をするんですか?」
と聞いてきます。

恐らくアシスタントさんは今日私がお仕事かどうかや、これから何をするかなんて興味がないでしょうに・・・。

興味がないから、私が普通に答えるとだいたい話は続きません。
会話を続けるためにはこちらが進んで話さないとうまくいかないのです。

私はあまり無言でいることが気にならないので「いつものこと」と思い、答えるものは答えてそのままでいることが多いです。

それにしても、もう少しあの表面的な会話はなんとかならないかな。
徹底的にアシスタントさんの会話の技術をあげてもらうとか。
せめて聞く内容のバリエーションは増やしてほしいです。

髪を切りに行ったときの会話が苦手な方もいませんか?
私のところで受ける相談で多いのは
「無職なことを言いたくない」
「会話が続かないと変なやつだと思われるのでは」
「つまらない人だと思われるのでは」
「他の人だと会話がはずんでいるのに自分だとはずまない・・・」
などなど。

人からどのように見られるか気になる人です。
社交不安障害の方が多いのかもしれません。

髪を切りに行くたびに苦痛になります。
髪は切りにいかなくてはいけないので、ずっと悩んでいるのも大変です。

美容室がもう少し楽な空間でありたい、という人はご相談くださいね。

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強迫行為をやめるための準備-ゆっくり行動する

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の強迫行為をやめる準備のためのエクササイズ。

今回は「ゆっくりと行動する」です。

例えば、何度もドアを確認してしまう人がいるとします。
いつもは緊張してガチャガチャとやっているのかもしれません。

その時に確認してもよいのでゆっくりとやってみるのです。
スローモーションの映像みたいに。
深呼吸などをしながらやってもよいでしょう。

ドアにゆっくり近づきましょう。
ドアをみてましょう。
どんな色でしょうか?
どんま模様でしょう?
ドアノブの感触を感じてみましょう。
ドアノブはどんな感触がするでしょうか?
ざらざら?べたべた?金属っぽい?これまで意識したことがないでしょう。
そしてゆっくりとドアノブを動かしてみましょう。
その時もドアノブの感触を感じなが動かしてみてください。

これまで衝動的にやっていたことを立ち止まってゆっくりやってみるのです。

こうすることによって、強迫行為はやめられなくても切迫した感じや緊張感が弱まるかもしれません。
そして結果的に衝動が弱くなっていくこともあります。

お試しください。

もちろんうまくいかない時は行動療法の専門家にご相談ください。

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寝る時足がむずむずしていたら注意

臨床心理士の鈴木です。

「むずむず症候群」ってきいたことありますか?
レストレスレッグス症候群なんていうこともあります。

症状としては、足がむずむずする、チクチクする、かゆいような、「虫がはうような」など身体的な感覚の出現です。

足を動かしたり歩いたりすると軽減します。

休んでいる時や夕方から夜にかけて出現することが多く、睡眠時間にそのような症状があることで眠れなくなることがあります。

不眠を訴える人の何パーセントかはこの病気によるものと言われています。
私のカウンセリングの中で、なかなか良くならない不眠の方にこのような症状がないかと聞くと、時々症状が認められることがあります。
主治医に相談するようアドバイスしたところ、お薬で不眠が改善された例もあります。
あまり聞きなれない病気のため、病気だと思わず主治医に言っていないパターンが多いようです。
このため、適切な治療が行われず睡眠薬を飲んでも眠れないといったことに陥ることもあります。

治療法としてお薬があります。
がまんして治るものでもありません。
もしも、不眠の方でこのような症状があった時は主治医に相談してみましょう。

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うつで悩んでいる時の家族の対応

臨床心理士の鈴木です。

うつで悩んでいるときに周囲に言われたくない言葉。
うつに限らず心の病気を抱えている方のご家族は、普段言っていないかチェックしてください。

よくあるのは・・・

「気の持ちようだ」
→気の持ちようではどうしようもないから悩んでいる

「そんなの誰でもあるよ」
→「あなたの悩みは大したことない」と言われている気がする

「こんな風に考えたら」
→頭でわかっていても、心から思えないことが多い

「気分転換でもしたら」
→気分転換しようとしても嫌なことばかり考えてしまう、気分転換できない自分に落ち込む

「あなたの気持ちはわかるよ。でもね~」
→結局否定している、つまりわかってはいない

時と場合によっては上記のような言葉も有効かもしれません。
しかし、ほとんどはうまくいかないと思います。

特に「正論」を悩んでいる人に押し付けるのはほとんど役に立ちません。

気をつけましょう。

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