浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
家事をやらない夫に家事をやらせる。
そんな情報が子育て本などによく載っています。
その中で「夫に手指の荒れをみせる」「手があれちゃった~、とアピール」という話がありました。
旦那さんに手指の荒れを見せれば気を遣って食器洗いなどの家事を手伝ってくれる、という発想のようです。
私がカウンセリングで多く夫婦を見てきた経験上、この方法はやや注意が必要です。
なぜならば「手が荒れちゃって・・・」と言ったのにもかかわらず、旦那さんが手伝ってくれなかった時、奥さんの怒りはいつも以上に大きくなる可能性があるからです。
「私がこんなに傷ついているのにやってくれないなんて、ひどい!」となります。
「手が荒れちゃって」というのは「間接的コミュニケーション」と言って、言いたいことを直接表現せず、間接的に表現する方法となります。
間接的であるため、実は伝わっているとは限らないのです。
こんな時「こう言ったら普通わかるでしょ」「夫は私のことなんてどうでもいいと思っている」
って思っているあなたは要注意。
「手が荒れちゃって」という言葉をそのまま受け取ったら、「ハンドクリームでも塗ったら」「やっぱり歳じゃないの?」っていう反応をしてしまってもおかしくないのです。
それを怒ってしまったら「なんか今日は機嫌が悪いな」「いつものことか」と思われて、その態度をみてさらに激怒といったパターンになりかねません。
ストレスがさらに増えてしまいます。
気づいてくれるのを待っていたら、いつまでも気づいてはくれません。
そもそも「手が荒れちゃって」と言って手伝ってくれる旦那さんなら、直接「疲れているところ申し訳ないけれど、○○やってくれるととても助かる」と、教科書に出てきそうな表現でも手伝ってくれます。
間接的コミュニケーションが伝わらない時は相手を責めるのではなく、表現の仕方をもう少し直接的にして、きちんと自分の本当の気持ちを伝えましょう。
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