「 2011年08月 」一覧

強迫性障害の家族の対応②

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の家族や周囲の対応については、以前の記事でも少し書きましたが書き足しです。

本人の確認要求に応じていると症状が維持・悪化されていく可能性があります。

例えば、
①玄関のドアを閉めたかどうか気になる人に対して
閉まっているから大丈夫だよ」

②何度も手を洗う人に「もうキレイになったかな」と聞かれ
「もう十分キレイになっているから」

③「誰かにぶつかったかどうか」と聞かれ
「ぶつかってないよ」

④ある行動をした後に「何か恐ろしいことがおこるかも」と言われ
「何も起こらないよ~」

と、常識的な対応をしてしまうのがまずいのです。

こんな風に家族や周囲が対応していると、本人がその度に周囲に確認するようになります。
周囲を巻き込んでしまっていることで罪悪感を抱く人もいます。
そうしていくうちに結果として本人が苦しくなるのです。

このため治療には周囲の協力が必要であることも多いのです。

かといって、ただただ「あなたの要求には応じないよ」と言うだけではいけませんよ。
本人と話し合いながら合意の上でやっていくことが望ましいでしょう。

本人が了解があればご家族がカウンセリングに一緒に来ることは構いません。
一緒に協力して取り組んでいきましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています


心の病と普通の生活

臨床心理士の鈴木です。

カウンセリングに来る多くの人が
「普通の生活が送りたい」
と言います。

カウンセリングに来る時点でその人の普通が普通でなくなっているので当然ですよね。

普通にできていたことができなくなり、普通ではない生活になっていく。
苦しいものです。

普通の生活に戻すは大変です。
長い時間悩まされるとそのうち「普通の生活ってなんだっけ?」となってきます。

そうなる前に普通の生活を取り戻してみましょう。

そして、まずはその第一歩を踏み出してみましょう。
何事も行動することから始まるものですよ。

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「論理的思考」は心の悩みを解決するか?

臨床心理士の鈴木です。

テレビの番組を見ていたら、ある企業では何か問題があった時に
「なぜこうなったのだろう」
「どうしてこうなったのだろう」

と問いかけるのだそうです。
それが「論理的」だそうです。

原因を探し、それを取り除くことによって解決を目指すわけです。
論理的といえば論理的ですね。

それを心の悩みについて当てはめたらどうなるでしょうか?
うつや不安が強くなった原因を探しだそうとするとどうなるでしょうか?

ほとんどは悩みっぱなしになります。
なぜならば悩みの多くは様々な要因が重なりあっているからです。
性格、考え方、その時の偶然、育ってきた環境、その後の環境、人との相性などなど。

たまに「こうなったのは○○が原因です」というものもありますが、ただの一説に過ぎなかったり、根拠に乏しかったりします。
まぁ、そういう風に言った方がウケは良いので、人は飛びつきやすいでしょう。
改善する可能性は低いと思いますが・・・。

原因を考えても、はっきりするわけではありません。

つまり「どうして」「なぜ」と自分に問いかけていってもほとんど解決しないのです。
それどころか、ずっとそのようなことを考え続けてさらに悩むことになり悪化します。

寝る前や時間が開いた時などそんなことばかり考えていませんか?

さらに悩まされるのに「なぜ」「どうして」を人はやめません。
そのように問いかけるのが正しいと思っているのです。
またそれ以外の方法を知らないのです。
ピンとこない人は要注意ですよ。

論理的に考えていくことが、心の悩みを解決するわけではないのですから。
頭でわかっていても、できないこともたくさんありますしね。

あーでもない、こーでもないと悩み続けている人は、「なぜ」「どうして」をやめてみるのが解決への一歩となりますよ。

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うつで休職中の過ごし方-活動について

臨床心理士の鈴木です。

「うつ」で休職中の人の過ごし方について。

うつで休職中の場合、やはり最初のうちは休養です。
あせって「動かなきゃいけない」と思うと、悪化します。

落ち着いてきたら、軽い運動、楽しみなことを増やしていき、徐々に活動性を上げていきます。

ただ・・・これをするのが結構大変なんですけどね。
「それはわかっているけど、やる気がしない」「難しい」
となります。

ダイエットをしようとしている人に
「バランスの良い食事と適度な運動をすることがダイエットに必要ですよ」
と正論をいっても、続ける人は少ないのと同じです。

うつでない人でも何の予定のないのに朝早くおきて、外にいって運動なりを毎日繰り返すことができる人は少ないでしょう。

それを、うつの人がやろうとしてもなかなかうまくいかないものです。
夏など暑い時期は尚更動こうとする気持ちが萎えます。

この問題に関しては、ある程度スケジュールを立てるのが一つの手です。
前日などに何をやるか決めます。
「気分が良かったらやってみよう」
と思うとだいたいは実行できません。

多少気分の落ち込みがあってもやってみると気分が上昇することがありますので、それを体験することがうつの改善に必要です。
最初は何をやっても気分は変わらないと感じるでしょう。
まず家にいるよりはマシだと思えれば良いと思います。

ここで気をつけなければならないのが、活動内容と活動量です。

「気晴らし」「楽しいこと」が良いとは限りません。
「うつが治っていっている」「将来につながりそう」「自分がやりたいことをやっている」という活動を考えていくことがコツです。
それはちょっとした負担と感じることかもしれません。

そしてスケジュールを立てると多くの人は活動量多くしすぎて、落ち込むこともあります。
最初は一日一つくらいの小さな活動から始めましょう。

当然「うつなんだから動けないに決まっている」と思うに違いありません。
出来ない気持ちが強かったり、自分ではどう予定が立てられない時は、カウンセラーと相談してみましょう。

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対人恐怖への対処-考えていること

臨床心理士の鈴木です。

対人恐怖の方でよくあるのが
「自分が不安なんだから、他人が見ても自分は不安そうに見えるに違いない」
という考え方。

実際に「不安そうな顔をしている」と言われた経験があるのかもしれません。
しかし、それがいつでもそうとは限らないのに、不安を感じるとそのように考えてしまうものです。

赤面が気になる人は、ちょっと自分の顔に変化を感じると、
「自分は赤面していて、他人も気づいているだろう」
と考えます。

つまり「自分がどのように見えるか」について悪い方に過大評価してしまう傾向があるのです。

そして
「人は自分のことを変な人だと思って見ている」
と視線を感じるようにもなり悪循環です。

このような考え方については、まず自分が考え方の癖に気づくことが必要となります。
また、実際に不安そうにみえるかどうかを確かめてみる方法もあります。
どちらも練習とコツが必要ですけど。

これらの方法をやってみると・・・
「あれ・・・私って思ってたより普通」
ということに意外にも早くわかり、変わっていくことが少なくありません。

もちろんそれだけでは変わらないことがありますが、変化への一歩となりますよ。

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強迫性障害のカウンセリングはどんなことをするのか?

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害のカウンセリングはどんなことをするのか?について。

私のカウンセリングでは強迫性障害の方には行動療法を行っています。
行動療法が他の治療法と比べて治療成績が良いと言われているもありますが、実際にやっていて良くなっている人をたくさん経験しています。

最近ではうつ病の次に強迫性障害の患者さんが多くなりました。
行動療法をやっているところが少ないため他の病院からの紹介で来る方も少なくありません。
皆さんお薬を飲んでも何年もよくならずどこかで限界を感じ、行動療法を受けにくるようです。

それではどんなことをするのか。

1.強迫性障害がどのようにして維持されているかを説明します。

2.どうすればよくなってくかについて説明します。
書籍などで行動療法を知った人が多いと思いますが、だいたいは行動療法に誤解をしていますので、ここできっちり説明します。
ご家族が一緒にいらっしゃれば、ご家族がどのような対応をすれば良いかについても説明します。

3.不安場面についてリストアップします。
自分では気づかない強迫行為も結構あるものです。

4.不安場面での実践をします
理屈だけを知っても治ることはありません。
カウンセリング中、練習することもあります。
かといって、無理やり嫌なことをさせることはありません。
自宅でも練習できるように、実践での心持や行動の仕方などのコツについて説明します。
自宅等で実践してもらい、うまくいかなければ、その要因を分析して対処方法をアドバイスします。

簡単に書きましたので「単純だなぁ。こんなんで治るのかなぁ」と感じる人もいると思います。
やってみるとわかりますが結構奥深いというか、単純ではありません。
ただ、続けてもらうと良くなっていく人が多いです。

悩んでいるよりもまず行動療法を実践していきましょう!

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お祭りの中で勉強会

臨床心理士の鈴木です。

昨晩大宮駅周辺で大宮夏祭りがありました。

お神輿やベリーダンス、フラメンコなどなど。
いろんなイベントがあるので、正直なところ未だにどういう趣旨のお祭りかよくわかりませんが(すみません)、とにかく賑やかです。
祭りの時は祭りに参加するよりも屋台で何かを買ってお祭りを見るのが私は好きです。

そんな賑わいの真っ最中にお祭り会場近くのソニックシティで勉強会に行ってきました。

関連病院の臨床心理士が集まっての勉強会。
私は司会をしましたが、特に私がどうこうしなくても外の賑わいに負けないくらい?活発な議論が交わされていました。
司会者としては楽です。

若手の話を聴きながら、大変刺激になり有意義な時間でした。

気がつくと関連病院の臨床心理士の中でも年長になっていた私。
私も若手に負けないよう精進せねばなりませんね。

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対人恐怖への対処-注意の方向

臨床心理士の鈴木です。

スピーチをしている時に
「人からどう思われているか気になる」
と人目が気になるまさにその時、注意はどこにいっているでしょう?

普通に考えれば人が気になるのだから外に注意がいっているようにも見えます。
しかし実のところは外ではなく自分自身に注意がいっているのです。

「どう思われているか」
と思っている時点でもうすでに自分の世界に入っていますよね。
対人恐怖がある人は恐怖対象である相手をよく見ていないことが多いのです。

「赤面しているのでは」
と思えば注意が自分にいって、自意識過剰になり実際に赤面してくるかもしれません。

また自分の方に注意がいっているため、仮に相手が自分のことを見ていなかったとしても見ていると誤解するかもしれません。

このように注意が自分自身にいってしまっている人の対処方法の一つとして外に注意を向ける練習が有効でしょう。
外に注意を向けるといっても気をそらすのとは違います。
気をそらそうとしているうちは克服できません。
結果的に気がそれることはありますけど。

この練習は、はじめは難しいと感じますがちょっとしたコツがあります。
コツさえつかめばできるようになりますよ。

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