臨床心理士の鈴木です。
テレビの番組を見ていたら、ある企業では何か問題があった時に
「なぜこうなったのだろう」
「どうしてこうなったのだろう」
と問いかけるのだそうです。
それが「論理的」だそうです。
原因を探し、それを取り除くことによって解決を目指すわけです。
論理的といえば論理的ですね。
それを心の悩みについて当てはめたらどうなるでしょうか?
うつや不安が強くなった原因を探しだそうとするとどうなるでしょうか?
ほとんどは悩みっぱなしになります。
なぜならば悩みの多くは様々な要因が重なりあっているからです。
性格、考え方、その時の偶然、育ってきた環境、その後の環境、人との相性などなど。
たまに「こうなったのは○○が原因です」というものもありますが、ただの一説に過ぎなかったり、根拠に乏しかったりします。
まぁ、そういう風に言った方がウケは良いので、人は飛びつきやすいでしょう。
改善する可能性は低いと思いますが・・・。
原因を考えても、はっきりするわけではありません。
つまり「どうして」「なぜ」と自分に問いかけていってもほとんど解決しないのです。
それどころか、ずっとそのようなことを考え続けてさらに悩むことになり悪化します。
寝る前や時間が開いた時などそんなことばかり考えていませんか?
さらに悩まされるのに「なぜ」「どうして」を人はやめません。
そのように問いかけるのが正しいと思っているのです。
またそれ以外の方法を知らないのです。
ピンとこない人は要注意ですよ。
論理的に考えていくことが、心の悩みを解決するわけではないのですから。
頭でわかっていても、できないこともたくさんありますしね。
あーでもない、こーでもないと悩み続けている人は、「なぜ」「どうして」をやめてみるのが解決への一歩となりますよ。
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