臨床心理士の鈴木です。
強迫性障害には行動療法が有効であることを知っている人は多いでしょう。
しかし前にも書きましたが、自分一人で行動療法をやっても良いのですが、すぐに行き詰ります。
その要因の一つかもしれないのは、強迫観念の扱い方です。
「鍵をかけ忘れたのでは」という強迫観念があった時はどうしていますか?
「さっき鍵をかけたから大丈夫だろう、と思いこもう」としても、だいたい「やっぱり不安」と失敗しませんか?
「バイ菌がついているようで何度も手を洗わないと気が済まない」という強迫観念に「そんなに洗わなくても平気だ、バイ菌はそれほど問題ない、と思いこもう」としても、「万が一とういうことがあるし・・・」となっていませんか?
実は強迫観念に「常識」で立ち向かおうとしてもムダなのです。
さらにいうのならば強迫観念と闘ったり、抵抗したり、分析したり、説得しようとすることは逆効果です。
強迫観念と闘っている間って何について考えていますか・・・?
強迫観念ですよね。
つまり、強迫観念に抗うやり方はさらに苦痛を大きくさせているのです。
では、強迫観念に抗うのをやめたらよいか?ということになります。
実際には「受け入れていく」という作業をします。
考えを受け入れ「強迫観念があっても大丈夫」を目指すと良い方向にいきます。
しかし「そうか。抵抗せずに受け入れればいいんだ」と思って、強迫観念を受け入れ、すぐに「治りました」という人はもちろんいません。
そもそも「受け入れるって?」ということもわかりにくい概念ですし。
このため理屈ではなく、実践の中で「受け入れる」方法を少しずつ練習していく必要があります。
それが強迫性障害を克服していく一歩となります。
「やっぱり受け入れるってどういうことかわからない」と思ったり、一人でやっていて行き詰ったら、行動療法の専門家に相談しましょう。
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