臨床心理士の鈴木です。
最近インターネットを使って調べ物をしていました。
精神的な病気についてネットで調べようとすると、様々な情報があふれていますね。
そこで気になったことがいくつかありました。
今回は摂食障害のサイトについて少しお話します。
摂食障害のサイトなんかで多いのは
「摂食障害は過去の親子関係が原因となっており、そのトラウマが癒されることで治る」
という、根拠に乏しいフレーズ。
ネットや書籍でかなり広まっている説です。
「自分にあてはまる」と思わせるようなエピソードを載せるため信じてしまう方も多いでしょう。
しかし、正確な情報を言いますと過去の親子関係が原因である根拠もありませんし、そのトラウマが癒されれば治るという根拠もありません。
私なんかはそこに「催眠」「前世療法」などと書いてあったら、なおさら怪しく感じてしまう。
皆さんもカウンセラーのプロフィールをみると臨床心理士ではないことに気づくと思います。
一番まずいのは「過去の親子関係が原因」と言って、「親に謝ってもらう」ことが治療としているパターン。
両親との関係が悪化して、「わかってもらえない」という結果に。
または両親から「悪かった」と言われて一時的にすっきりしても、現実は何も変わらないという結果。
そうなると「まだ私の傷は癒えていない」という悪循環。
さらに「認知行動療法や対人関係療法やってます」と書いてあると「?」と思う。
認知行動療法も対人関係療法も「過去の親子関係が原因」「親に謝ってもらわなくてはいけない」とはしていません。
治療者がどちらの療法にも精通していない証拠でしょう。
例え実際に親子関係のトラウマがあったとしても、過去は変えられません。
過去をなんとかしようとすることはさらに過去にしばられることになります。
変えられるのは「今」です。
「今」を変えられれば「今」感じられる「過去」への思いも変えられることはあるかもしれません。
過食症や拒食症で悩んでいる方はたくさんいらっしゃって、藁をもつかむおもいで治療方法を探しているものです。
治療法について正確な情報が伝わるようになれば良いのですが・・・。
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