臨床心理士の鈴木です。
私は散歩というものがあまり好きではありません。
散歩をしていて楽しいと思えたことがあまりないのです。
もちろん、運動になるので健康にも良いのはわかっています。
散歩をすることが気持ちが良い、という人もたくさんいます。
運動になるだけでなく、普段は気にならなかった景色や新しい発見があることによって、好みや考え方などが変わってくる可能性もあります。
「散歩は嫌いだったけれども、やってみたら楽しかった」ということもあるかもしれません。
最近良く患者さんから聞くのが「うつには散歩がいいんですよね」という言葉。
何かのテレビか新聞なんかで言っていたのでしょうか。
もちろん散歩をすることは悪いことではありません。
散歩をすることによって、寝ているよりは良く、症状が軽快していっている例もたくさんあります。
しかし、散歩嫌いの私が仮にうつ病になって周囲から「うつ病には散歩がいいから行きなさい」と言われれば、私は「そんなこと体がだるくてできない」と拒否をするでしょう。
そうすると周囲からは「やる気がない」「自分から治ろうとしない」と責められるかもしれません。
こうなると悪化の一途をたどります。
私にとっては悩み苦しんでいるときに、嫌い(正確にはそう思い込んでいる)な散歩をさせられたらたまったものではありません。
散歩をして楽しい、ちょっとでも楽と思えるならば、散歩をするといったことが、良い影響を及ぼすのです。
ですから機械的に「~は、○○病に良い」という情報を真に受けないことが重要です。
食品とか運動とかそういうのがいっぱいありますよね。
結果的に運動や楽しいと思えるような行為はたくさんあります。
「散歩」という「言葉」にとらわれすぎてはいけません。
大事なのは散歩という行為がその人に及ぼす影響を考えていくことなのです。
困っているときは、本人も周囲も視野が狭くなりがちです。
どうして良いかわからなくなったり、行き詰ったら専門家に相談してみましょう。
「うつ」の時「休むこと以外」にできること、うつ病への対処についてなど、アドバイスできるかと思います。
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