臨床心理士の鈴木です。
「鈴木さんは認知行動療法以外は認めないのですか?」
と聞かれることがあります。
当然「いいえ」と答えてます。
私に対してどういうイメージなんだ・・・と感じることもしばしば。
どうも、このブログでも認知行動療法を勧めていると、
「認知行動療法はすばらしい。それ以外はダメ」と言っていると誤解を受けることがあります。
私の表現力の問題でしょう・・・。
今のところ認知行動療法が様々な科学的根拠があるので、私もそれに従っているまでです。
別に良い方法がでてくれば、すぐにそっちに移るでしょう。
そういう意味では浮気ものです。
心理学の理屈って、あとから勝手に作り上げているだけだといつも考えてます。
ですから患者さんの役に立たなければ単なる妄想にすぎません。
それであれば、一番役に立つ理屈を使うのが患者さんのためだと思っています。
実は認知行動療法を使うにしても、いろんなところの理屈は借りてきています。
さらにいえば、心理学だけでなく、知人のうまいなって思うコミュニケーション方法なども、自分の中に取り入れたりします。
例えば、パニック障害で電車に乗れない人がいたとします。
認知行動療法の色んな理屈にしたがってやろうとしたって、ちょっと難しい感じになると当然うまくいくわけがありません。
患者さんも「認知行動療法の理屈は頭でわかっているけれど。怖くて電車にのれない」となってしまいます。
頭では「怖くてできない」と思っていることを、患者さんが自ら「やってみようかな」って決断させるのかが、カウンセラーの腕のみせどころなのでしょう。
誰かは忘れましたが「行動療法は、アセスメント(査定)と仕掛けがきちんとしていれば、なんでもありだ」と、言っていた臨床心理士の方がいました。
私は勝手に「なるほど。どんな人かを見極めて、どのように演出するかが大事なのだな」と思い込みました。
認知行動療法という理屈を「どのように演出するか」がカウンセラーの個性になっているのかなぁ、腕の見せ所なんだろうなぁ、って考えています。
理屈をわかるのと実践するのが違うのは、患者さんもカウンセラーも同じかもしれませんね。
心理学の理屈や、日常生活での他人とのコミュニケーションには「巧みな演出」をするものが豊富です。
私はいつも患者さんの役に立つ「演出」を探しています。
ですから、認知行動療法云々いってますが「役にたつものは何でも使う」っていうのが私のカウンセリングスタイルです。
将来新しいカウンセリング方法が出てきても、「演出の仕方」の大切さは変わらないかもしれません。
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