「 2009年03月 」一覧

衝動性への対応方法

臨床心理士の鈴木です。

最近、新しい携帯電話探しをしています。
4年以上使っている私の携帯。
ごくごくたまにしかやらないメールと電話程度なので、古くてもほとんど困りません。
しかし、学会などで連絡先の交換をするときに「赤外線で」と言われ、そんな機能はついていないので困ることが続いたため買うことを検討しています。

以前も書きましたが、今の携帯は高いですね。
使わないものに5万前後も払うのは躊躇します。
また、赤外線機能がなくてもたまにしか困らないので、買うかどうかも迷う。

それにしても、携帯ショップの店員さん。
私がが購入を検討している機種よりも、キャンペーン中の機種を妙に進めてくる。
表情、しぐさ、会話が不自然。

こんなときはすぐには買わず、次の日まで考えることにしています。
これは衝動買いを防ぐためです。

実はこの方法、カウンセリングでも使います。
衝動買いに限らず衝動的に動いてしまう人などに、例えば24時間ルールを設定。
高い物を買うときや衝動的に何かをやってしまいそうな時に、その場の勢いで行動せず24時間経ってからもう一度必要性を考えてもらう、というものです。
そうすると衝動的に行動して、後悔することを防ぐこともできます。

そんな時新たな誘惑が。
携帯ショップで後で考えるために立ち去ろうとすると、店員さんのお決まりの台詞。
「今携帯変える人も多いので、すぐになくなる可能がありますよ」

私の場合はそんなことを言われるとさらに買う気が失せてしまいます。
不安を煽るテクニックでしょうが、一年中そんな台詞言っているに違いないと思ってしまう。

その後暖かくなってきたので、洋服を買おうと洋服屋さんへ。
目ぼしいものがあったのですが、高かったし微妙だったので考えることに。
そうするとここでも「人気商品なので、もうすぐなくなってしまうかもしれませんよ。調べたら、うちと○○店にしかないみたいですし」と言ってくる。

こんなことを言われると、「この店員からは絶対買わない」と思ってしまいます。
衝動的に買わせようとするのがわかる店員は誠実さが足りない印象を受けてしまう。
そんな接客で売りつけようとするとは、接客のプロとしては甘い!

このようにカウンセリングでは24時間ルールの他にも衝動的になりやすい時の対応方法について、どうしたらよいかもアドバイスしています。

ちなみに携帯電話はまだ買っていません。
よくよく考えれば赤外線機能の使い方を覚えないに違いない・・・。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


不登校への対応

臨床心理士の鈴木です。

もうすぐに4月。

学生にとっては新しい学期がはじまります。

小学校や中学生の不登校のお子さんも、これを期に登校しようとする子も多くなるのかもしれません。
親御さんも期待している方が多いのではありませんか?

小学、中学の不登校が引き起こす問題は学力だけではありません。
その頃に形成される、様々な年代の子どもたちとの接し方を経験する機会を失います。
不登校が続けば、学校の先生や友人と会うことが嫌になりますし、外出すると誰かに会うことを恐れ、引きこもりがちになります。
「塾に行っていれば良い」と思っていてもその塾にもいけなくなります。
携帯、ゲーム、インターネットを一日中することとなり、昼夜逆転し、さらに不登校が続きます。

「それでも、元気で暮らしていればいいじゃないか」と思うかもしれません。
確かに、不登校であっても、成人してから普通に仕事をして、成功している人もいます。
自分の将来の方向性を考え、目的に向かっている人もたくさんいます。

一方でそうとは限らない例もたくさんあります。
不登校になる子は、例え行きたいと思ってもいけず、不登校になることでさらに自信を失います。
そうすると無気力にもなりますし、気分も落ち込みます。
将来への希望がもてなくなり、社会へのかかわりを失っていきます。

そうなると「子どものうつではないか。薬を飲ませれば学校行くのではないか」と考え、精神科受診させる親御さんもいます。
しかし、薬を飲んだだけで登校できるなら、苦労はしません(場合によりますが)。

こんな時の対応として
「学校に行け」
「勉強が遅れる」
「生活リズムを整えなさい」
と親がいったところで、
「うるさい」
「わかってくれない」
と言われるのがオチです。

かといって、
「何もせずに何か月でもずっと見守ろう」
「愛情不足だったから、本人の言うことは何でも聞き入れよう」
とすれば、さらに悪化するでしょう。

暴力がある場合、やってはいけないことの一つは
「甘んじて子どもの暴力を受け入れる」
ことです。
これは親子関係にせよ、夫婦関係、恋人関係にせよ、暴力そのものを受け入れてはいけません。
受け入れたところで、良くはなりません。

対応方法が分からない時は、専門家に対応方法について相談しましょう。
ただし前述のように
「親の愛情不足だからこうなったのだ」
「母親との分離不安があるんですよ。甘えさせてあげて下さい」
「親のせいですよ」
ということを専門家に言われたら、別な相談機関に行った方が良いでしょう。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
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他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


カウンセリングルームのテーブルと椅子

臨床心理士の鈴木です。

カウンセリングのお部屋にある、椅子とテーブルです。
090317_1655~0002

最初、クリニック内の職員からは「カウンセリングのイメージと違う」といわれたこともありました。
理由を聞くと「リクライニングソファじゃないから」とのこと。

「ダイニングテーブルとセットの椅子みたい」ともいわました。
ごもっとも。
実際にそうですから。
できるだけ柔らかなイメージの方が良いので、こんな感じにしました。
お部屋は白と木の色を基調としています。

どうもカウンセリングは話をする場所で、リラクゼーションソファのような椅子で話を聞くというイメージらしい。
おそらく、かなり昔外国で行われていたカウンセリングのイメージなのでしょう。
実際のところは、そんなソファは患者さんにとってやりにくいソファでしかありません。

それに、背もたれにゆっくり寄りかかり、話すだけで問題が解決されるならそれでよいのですが・・・。
実際のところはそんなことでよくなるはずはないので、問題解決をするための様々な提案、説明、話し合いをします。
うつ克服のための方法、提案をプリントを渡しながら説明したりするので、このようなテーブルや椅子の方が便利なのです。
さらに言えばカウンセリング部屋だけでなく、クリニック内を移動して不安克服のための練習などもします。
そういう意味では、私のカウンセリングは実践的です。

カウンセリングは思っているよりもアクティブなものですよ(そうではないカウンセリングもありますが)。
話を聞くだけのカウンセリングでは良くならない、と感じている方は一度ご相談ください。

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強迫性障害の治療

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の治療に関して。

強迫性障害は(認知)行動療法が有効であるという科学的根拠があります。
薬物療法だけでは薬をやめると再発しやすいので、行動療法を受けることを強くお勧めしています。
しかし、行動療法は誤解をもたれることが多いという印象です。

よくあるのが「行動療法は、とりあえず不安なことを無理やりさせられて、それに必死で耐えなければならない方法」という説。
これはパニック障害でも思っている方が多いと思います。

この説に従って
「とくかく、手洗いと確認をやめなさい」
と、家族や周囲が本人に言って、うまくいくことは稀でしょう。
それどころか行動療法を受けることが恐怖にさえなります。

自分でがんばってやろうとしても、中途半端に行動療法をやってしまうと症状が長引くだけでなく、「行動療法は役に立たない」と思い、カウンセラーに行動療法を受けようとする気持ちが萎えてしまいがちです。
そうすると周囲から「治療意欲がない」と思われてしまいます。

手洗いや確認がやめられないから困っているので、強迫行為がやめられないのは当然です。
それができたらすでに治っています。

ひたすら「無理やり不安に直面して我慢する」のが行動療法ではありません。
行動療法に精通していない医師やカウンセラーほど、そのように言いますので注意が必要です。
行動療法には様々なテクニック、コツがあります。

仕事や学業、日常生活に支障がある場合は、早めに行動療法専門のカウンセリングを受けましょう。
可能であれば、ご家族も一緒来談して行動療法的な考え方や技術を学ぶと、本人、家族とも楽になっていきますよ。

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復職、職場復帰前のチェック

臨床心理士の鈴木です。

朝晩は冷えますが、日中は大分暖かくなってきました。
春は近くまできているようです。

春といえば、引越しシーズン。

進学、就職、転勤などで、転居される方が多くなります。

それと同時に4月以降、新しい環境に適応できるか不安だという方も多いでしょう。

特に「心の病」で仕事を休んでいて、4月から職場復帰を考えている方は、不安が強くなる時期かもしれません。

そんなわけで、来月から職場復帰などしようとしている方はチェック。
以下の項目に当てはまっている方はいませんか?

・睡眠のリズムが整っていない
・昼間はゴロゴロしている
・電車が苦手なのに、まだ乗っていない
・ちょっとしか強迫症状が治っていない
・お薬と休養で良くなったが、結局職場に行けば何も環境が変わっていないのでまた元に戻りそうな気がする
・休職している間、ストレスをかけないようにだけしてきた

どこか思い当たるところはありませんか?
一つでも当てはまった方は要注意です。
生活リズムの整え方を知っていますか?
なんとなく職場復帰しようとしていませんか?
うつ、パニック、強迫行為、対人不安など、お薬以外の対処法はもっていますか?

心の病は再発率が問題となります。
職場復帰しても、同じことを繰り返せば、自信がなくなり、さらに症状が悪化しかねません。

このため今できる最善の対処法を学ぶことをお勧めします。
お薬以外の対処法(認知行動療法などのカウンセリング)を身につけることにより、治療的効果の増加や再発率の低下が期待できます。

職場復帰する前に何度かカウンセリングを受けて、再発予防をしましょう。

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不登校のカウンセリング

臨床心理士の鈴木です。

行動療法の合宿形式の勉強会がありました。

しかも2泊3日。

朝から晩までぎっしり事例検討会。

事例検討のあとは朝方まで行動療法について熱く語り合っているという、なんともハードな勉強会です。
ほぼ3日間寝不足ですごしてしまいました。

愛知県の旅館で行われたこの勉強会。
まず驚いたのはエレベーター。
090307_1200~0001

このエレベーター、階数のボタンを押しても光らない。
つまり、自分がどの階を押したのか、今自分がどの階にいるのかが分からないという、画期的なエレベーターです・・・。

あと、手すり。
旅館内の色んな場所の手すりがガクガクしています。
つまり触ってはいけない手すり。
090307_1850~0001

今回の勉強会は有名なカウンセラーや医師か大学院生が多く、私のように現場に出ている一般のカウンセラーは少ない印象でした。

色んな事例がありましたが、結構私の勤務している機関でも実際に良く聞くことがありました。

例えば、私のところで良く聞くのが、様々な心の病で不登校になっている子どもの相談をした時、相談機関から「お子さんの言うことを受け入れて、言うこと聞いて下さい」「絵や箱庭で気持ちを吐き出すとよくなるんですよ」「退行してるんですよ」「両親の愛情不足からこうなったのですよ」「登校刺激しないで見守りましょう」と言われるパターン。

こんなことを言う相談機関があったら、別な相談機関に行くことをお勧めします。
良くなるものも良くならない可能性が高くなります。

「両親の愛情不足」「退行」「箱庭」「絵画」のみ使ったアプローチは「心の病」に効果が認められていません。

今回の勉強会に来ている方は基本的には治療的な根拠のないアプローチはしない方ばかりだと思います。
私のカウンセリングを受けている方で、埼玉から引っ越す方などがいたら、私が知っている治療者を紹介もしています。
さすがに、全県ではありませんが・・・。

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うつ病と家族とコミュニケーション

臨床心理士の鈴木です。

うつ病になると、うつ病本人の治療が必要です。
当然のことですね。

うつ病になった「本人の中」に「うつ病」というものがあり、それを治療するべきとなります。

しかし、うつ病は本人だけの問題だけではない場合が多いものです。

例えば専業主婦の女性がうつ病になったとします。

だんだん意欲の低下、不眠などが現れ、夕食のメニューを決めることができなくなるなど、家事全般に影響を及ぼします。

それを見た夫は心配し、「趣味でも始めたら?」「こんな風に考えたら?」「雑誌についてた~法をやってみたら?」など、様々な提案をします。
うつ病について調べると、お薬を飲んで、休養させると書いてあるのでその通りにしてみたり。

しかし、なかなか良くならない。

夫が解決方法を提案しても「・・・でも、できない」「そんな風に考えられない」「そんな方法はストレスになる」と、妻は言う。
そうすると「治る気持ちがない、なまけているだけ」「気持ちが弱い」「親の育て方が悪いんだ」「せっかく提案してるのに・・・やる気の問題だ」と夫は感じ、イライラしていきます。

妻はそんな夫を見て「わかってもらえない」と、さらに落ちこんでいき、そうするとさらに夫がイライラ・・・という悪循環。

このように、うつ病は周囲にも大きく影響を及ぼし、関係の悪化→症状の悪化→関係の悪化→・・・を繰り返していきます。

本人が悪い、周囲が悪い、と言っているわけではありません。
上記の例では、うつ病の妻は元気を出そうとしても出せないのです。
こんな時は苦しい思いを聴いてほしいだけのことが多いものです。
夫は自分なりに解決案を提案するなど努力しているものの、どう接してよいかわからない状態になっています。
ただ話を聴いてほしい、受け入れてほしい妻と、妻のために解決案を提案しようとする夫との間にコミュニケーションのズレがあり、かみ合っていないのです。

特に対処方法を勉強している家族ほど「その通りにならない」「頭ではわかっているけどイライラする」「いつまでこの状態でいるんだろう」と、教科書通りにならないと不安になることもあります。

このため本人だけでなく、家族もうつ病に対する知識や対処方法を学ぶと、治療がスムーズになることが多いと思います。
お互いのコミュニケーション方法を変えていくことは大事です。
私は可能ならば家族がきて下さるよう頼むこともあります。

うつ病である本人への直接的な治療も大事ですが、ご家族や親しい人とのコミュニケーションが上手くいくと、うつはぐっと楽になりますよ。

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治りにくいパニック障害への対処特徴

臨床心理士の鈴木です。

パニック障害でなかなか治りにくい方がやっている対処特徴についてのお話です。
私の主観がかなりはいってはいますが・・・。

・気をそらそうと必死になっている人
・ガムやフリスク、アメを口に入れて不安場面に行っている人
・不安を振り払うのことばかり考えている人
・電車に乗るのが怖い人が「怖くなったら途中の駅で電車を降りればよい」と考えて、乗る人
・安定剤がお守り代わりになってる人

特に上記の例では自分で不安を克服しようとして、失敗している方によくあります。
不安への対処ばかり考えているため、逆に不安にとらわれているのです。
また中途半端な認知行動療法を受けている人にもよく見られます。

こんな例も長引くパターンです
・歪んだ親子関係が原因だと考えている人
・ストレスが原因と考えて、ストレスがかからないように様々な場面を回避している人
・歪んだ考え(マイナス思考)が治らないうちは、不安場面にいけないと思っている人

「本当の原因」探しをすると、誰かを悪者にすることにしかならないので、うまくいきません。
まして親子関係がパニック障害の原因という根拠はありません。
「本当の原因」探しをしなくても、治療はできます。
また「歪んだ考え」ばかりに焦点をあてるような「認知行動療法」を受けている人にもよくあります。

パニック障害でお悩みの方、治療中の方、当てはまっていませんか?

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