依存と自立②―「自立している」と言われる場合

臨床心理士の鈴木です。

引き続き、前回とは逆のパターン。

想像してみてください。
30代の女性、仕事は優秀、経済的に自立して、比較的裕福、趣味を満喫し、周囲から「自立した女性」「強い人」と思われている。

周囲からは見たら「自立」し「問題がない」「孤独にも耐えられる」と思われがちです。

実際のところは「自立している」と周囲から見られていても、内心では孤独感や抑うつ感など悩まされているものです。
そのような人ほど周囲のイメージと本当の自分のイメージにギャップがあります。
職場では物事をはっきり言ったり、論理的に考える人なんかは特に、弱音を周囲に話せず、苦しんでいたりします。
つまり、「強い自分」を演じているために「弱い自分」を見せられないと考えてしまうのです。
こうなると、等身大の自分を認められずに、受診が遅れ、治療に時間がかかることもあります。

「一人で生きていこう」と思っても人間は孤独には耐えられないものです。
「強くならなきゃいけない」と考えても自分をさらに苦しめるだけです。
人間は人と人との繋がりがなくては生きてはいけません。
それほど人間は社会的な生物なのです。

このため単に「依存は悪い。自立が大事だ」ということでは、うまくいかないことも多いでしょう。
むしろ、そのような考えや言動が逆効果になっています。

次回に続く。

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