依存と自立①―「自立していない」と言われる場合

臨床心理士の鈴木です。

どうも気になる言葉。
「依存」。
「依存が問題だ」と、患者さんや、その家族からも聞きます。

アルコールや薬物に対する依存は問題です。
対人関係の依存もいき過ぎると問題となります。

ただ、最近では「共依存」など、あまり役立たない概念が猛威をふるっています。
まるで依存が悪いかのようです。

実際のところ我々は、人に何らかの依存をしているものです。
特に家族や恋人など、特別な関係なら尚更です。

ここでよく問題となるのは、心の病になり、仕事ができず、家族の世話になっていて、なかなかよくならない場合、それを家族が「依存が原因だ」「甘えているのが原因だ」「自立できていないのが原因だ」として、本人に「自立しろ」と促すことです。
だいたいは失敗に終わります。

本人の「寂しい」「受け止めてもらいたい」「苦しい」という、メッセージを無視することとなり、さらに症状を悪化させます。
家族は「やはり自立できていないからだ」として「趣味をもちなさい」「仕事しなさい」と指示してしまいます。
そうすると本人は「わかってもらえない」と思うようになり、症状の悪化を招くのです。

ではどうすれば良いのでしょう。
「自立している」と思われる人間になればそれでよいのでしょうか?

次回に続く。

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