浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
パニック障害で映画館を避けている人は多いです。
閉じ込められている、逃げだせないような状況が嫌なのでしょう。
「別に映画館に行けなくてもいいや」で済めば良いのですが、そういう人はきっと映画館以外も怖いままのハズ。
避けている場面があるってことは、パニックは改善していないということなんです。
だから映画館が苦手であれば、映画館に行けるようにしましょう。
パニックの人は映画館に行っても怖い経験で終わって、2度と挑戦したくないと思っているでしょう。
それは、挑戦の仕方に問題があるのです。
この記事では、パニックの人が映画館を挑戦する時のポイントについて書いていきます。
実践していくことで、楽しく映画を見られるようになっていくでしょう。
何度も映画館に行っても、不安を克服できない要因の一つは、不安を避けるようなことをしながら映画館にいっているから。
これ、ほとんどのパニックの人にあてはまるんです。
よくある例を挙げます。
1.混み合う時間をさける
逃げられないと不安ですからね。
2.真ん中の席を避ける
混んでいて真ん中に席に座るとすぐに逃げられないから。
3.出口をチェックする
苦しくなったらすぐに出たいから。
事前にチェックできないと不安になります。
4.アメ、水、頓服など安心グッズの使用
安心グッズがないと不安になります。
依存的になる人も。
これらの行動がダメな理由は、不安は避ければ避けるほど怖くなる性質があるから。
「安全確保行動」と言います。
ネットなどで上記の行動をすすめているものもありますが、信じてはいけません。
最初のステップとしてはやりながら挑戦するのも悪くはありませんが、そのままにしておくと不安が長引いてしまうのです。
パニックで悩んでいる人は、パニックになりそうな状況や感覚を避けているので悪化していくんですね。
このため克服するためには、不安を避けずに乗り越える必要があります。
かといって、いきなり混み合っているところだったり、安心グッズをもっていかないのは、ハードルが高かったりという方もいますよね。
そんな人は、少しずつ逃げの行動をやめていくとよいです。
例えば、混んでいる時、真ん中の席を避けている人はこんな順番でやってみるとか。
①空いている時間帯に、端の席で映画をみる。
②空いている時に真ん中の席で見る。
③混んでいる時間帯に真ん中の席で見る。
練習をする時は、不安でも途中で逃げ出してはいけません。
逃げるとせっかくやったのに不安はもっと強くなります。
電車の例ですがこちらの記事に詳細は書きました。
どんな低いハードルでも良いので、最後までやり通ることがポイントです。
また挑戦する時の効果的な計画の仕方をこちらに書いているので参考にして下さい。
パニックが怖くなくなりますよ パニック発作に対処する5つのステップ
一回だけやってもダメです。
何度もやって「不安になってもなんとかなるかな」と自信がついてきます。
2週間空くと練習の効果が薄くなるといわれています。
「何度か映画館にいったけど、楽になっていない」という方はこのあたりも気を付けてください。
パニックの人は映画館に挑戦する時は、混雑を避ける、出口をチェックする、安心グッズをもっていくなど、不安を避けることをやめることが大事です。
少しずつでよいので挑戦していきましょう。
どのように挑戦してよいかわからない時は私がカウンセリングでお手伝いしますよ。
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