「 2010年09月 」一覧

認知行動療法への誤解

臨床心理士の鈴木です。

近年、認知行動療法が医療機関等で盛んに行われるようにはなってきました。
本屋をのぞいてみると一般の方が自分で書き込みながらできるような本も増えてきています。
自分で本を買ってみてやってみたという方も少なくないと思います。
うつ病や不安障害に効果があると認められているという情報が様々なところから入っていっているようです。

それに伴い、誤解される方も増えています。
認知行動療法の本を見た感想で一番多いのが
「プラス思考にする方法ですよね。そのように考えれば良いのはわかりますが、考えられません。だから認知行動療法は合わないような気がします」
ということでした。

マイナスの考えに反論してプラス思考にするのが認知行動療法と思われているようです。
実はそのように誤解があるのは一般の方だけではありません。
よく精神科の医師からそのような説明を受けることがあるようです。
そして「あなたには認知行動療法は合わない」と医師から言われていることも少なくありません。
これは精神科の医師でも、認知行動療法については表面的な情報しか知らない場合があるのが原因の一つです。

新聞やパンフレットにもそのように紹介されている場合もあるので、誤解が生まれても仕方ないのかもしれませんが・・・。
それと他の機関で認知行動療法を受けてきた患者さんから話を聞くと、「考え」に反論する練習ばかり指導されて「いくらやってもプラス思考になりません」と訴える方も少なくありません。
つまり、下手をすると臨床心理士の中でも誤解している人がいるかもしれないということです。

本を読んでもうまくいかない場合は、認知行動療法の専門家に一度相談してみるとよいと思います。
誤解があったり、やり方がまずかったりしているところを指摘してくれるかもしれません。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


眠れないときの羊

臨床心理士の鈴木です。

眠れないときにはどんなことを考えていますか?

実際のところ一番多く聞くのは「眠るときに嫌なことを考えてしまう」ということ。
悩んでいる時の就寝時間は嫌なことを考えやすい場です。

「嫌なことを忘れよう」としても忘れられないものです。

ではどうすればよいか?

そんな時の対処として昔から「羊が一匹、羊が2匹・・・」といった方法があります。
これはこれで余計なことを考えることを妨害することに成功することがあるのかもしれません。

しかし、なかなか眠れなかった場合は「羊が100匹・・・」と数が増えていくこと=眠れていないことの自覚、につながり眠れなくなります。
また有名な方法ということもあって、羊自体が眠れない意識を活性させることもあるようです。

不眠への対応としては様々な方法がありますが、どんな方法をとったとしても「眠ろう」という意識が強いとうまくいかないことが少なくありません。

まずは眠ろうとするに執着することから離れる練習が必要でしょう。

その練習方法としても認知行動療法があります。

以前にも書きましたが不眠への認知行動療法というものもあります。
特別なものではなく普通の認知行動療法がわかればすぐにできるものもあります。
しかし、睡眠薬のようにすぐに効果が出現するものではありません。
数週間~数ヶ月単位で粘り強くやっていくことで効果が報告されている方法です。
今すぐに寝た方が良い、という方には不向きかもしれません。
一方で睡眠薬以外の方法を知りたい、という方にはいいかもしれません。

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パルコで講師

臨床心理士の鈴木です。

今月11日に、さいたま市職員、看護師、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などが開催する研修会の講師をしてきました。

浦和駅東口、パルコにある「コムナーレ」での開催。
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方向音痴な私でも今回は駅近で迷うことはないだろうと思っていましたが・・・インフォメーションを見ても何階が「コムナーレ」なのか書いていません。
いくら探してもしてもみつからない・・・。
結局警備員さんに聞いたところ、10階にあることが分かりようやく会場へ。

講師控室はミーティングルームを一部屋借りきっているのでどうも落ち着きません。
このためフロアをウロウロしているとこんな景色が。
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10階でしたが、庭もあり景色はなかなかきれいでした。
夜景なんか見られたら良いかもしれません。
浦和にもこんなところがあるんですね。

会場にはだいたい60~70人くらいの方がいらっしゃいました。
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勉強に集中できないかもしれませんが、夜景の見える場所の研修会も面白うそう・・・と心の中で思ってしまう。

研修のテーマは「脱・思い込み対人援助」。

主に科学的根拠に基づいたカウンセリング、実践についてと、傾聴技法の基本から応用までお話してきました。
また認知行動療法を用いたパニック障害の事例なども提示しながらお話しましたが、受講者の方はカウンセリングのイメージとのギャップが大きかったようです。
「ただ話を聞くだけ」「幼少時のことを詳しく話し続けること」がカウンセリングと思っている専門職の方もまだまだ多いのが現状。
なんとかその誤解が解けて少しでも新しい実践を取り組もうとしてくれる方が出てきてくれればと思っています。

3時間に及ぶ研修会。
会場がなぜか暑かったせいもあり、最後はややフラフラになっていました。
ちなみにまたもや余計な話をしていたような気がします・・・。

来月も研修会の講師予定。
空いた時間でまた資料づくりがんばります。

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他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


資料作成中

臨床心理士の鈴木です。

研修会の講師をやることになったため最近仕事が終わった後は研修会の資料作りに追われています。

普通は「○○というテーマ」でという依頼が多いと思いますが、私の場合は「何かやってくれませんか」といった依頼が多いのです。
このためどんなテーマを話すかということから、ある程度自分で考えて資料づくりをしています。
自由に「こんなことも入れちゃおう」など、曖昧な依頼だからこそ楽しい部分も。
ただし、内容がつまらないと思われたら目も当てられない状況になるかもしれません。

こんな感じで資料作成しているせいか、私の作業が遅いのかどうかわかりませんが、結構時間がかかってしまいます。

大学の先生など教えることを生業としている人はもっとスラスラと書けてしまうものでしょうか。

まぁ、配布用資料と当日用資料とをわけて、ちょっとした仕掛けを作ろうと余計?なことをしているのも時間がかかる要因かもしれません。
これも当日本当に「余計なこと」だったら大変です。
さらに当日、余計なことばかりベラベラと話さないようにしないと・・・と毎回思いながらしゃべってしまう。

気をつけよう。

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