「 2009年10月 」一覧

シンポジウムのシンポジストしてきました

臨床心理士の鈴木です。

今日は、さいたま市介護支援専門員協会主催のシンポジウムのシンポジストとして招かれたのでいってきました。
場所は緑区役所隣のプラザイースト。

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写真はあまり人がいないときに撮ったので閑散としていますが、思ったよりも人がいてびっくり。
ケアマネージャー(介護支援専門員)さんが主な受講者でした。
それ以外になぜか福祉用具屋さんも多い。

話し合うテーマは認知症高齢者におけるシンポジウム「介護者様の負担軽減~ケアマネージャーに伝えたいこと」。

どう考えても職種として浮いている私。
そもそも臨床心理士を初めて見たという人も少なくないようです。
とりあえずは関連のありそうな精神科医療や心理学的観点からお話しました。
もちろん、短いトークの中にも行動療法、家族心理教育は入れています。

少し気になったこととしては、「行動療法」という言葉が他のシンポジストから出てきたのですが、行動療法ではないような・・・と思うこと。
どうやら高齢者の散歩など行動させるのが行動療法だと思われている気がします。
またケアマネージャーであっても心理学というと「心の中を読む」という誤解があるようで、今回それについて話はしなかったので、機会があれば誤解を訂正していきたいなぁ。

あと実はお話をする前に塩分の多いものを食べたため、本番で喉が渇いてしまい・・・。
一応シンポジストには水は容易されているのですが、誰も飲まないので飲みにくい。
それでも喉が渇くため、他のシンポジストに目が行っている隙にがぶ飲みしました。
見ていた人は「緊張しているんだなぁ」と思ったに違いない。

私が話し終わった後、ある人から「鈴木さんの話は毛並みが違いますね」という感想。
良い意味か悪い意味かはわかりませんが、良い意味にしておこう。

帰りはシンポジストとして一緒に話をした、認知症の家族会の方とバスで一緒にかえりました。
ご高齢の方でしたが、あなどれない。
認知症の知識や対応方法も最新のものを知っていらっしゃいました。
もしかしたら変な専門家よりも専門的知識を知っている感じです。

今日の私のお話が出席していたケアマネージャーさんや家族会の方々のお役に立ってくれればと思います。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


研修会のアンケートの結果

臨床心理士の鈴木です。

先日私が講師をした研修会でのアンケート結果が送られてきました。

主催者側がまとめてくれたので、もしかしたらネガティブな意見は削除してくれているのかもしれませんが、概ねポジティブな感想をいただいたのでホッとしました。

看護師さんや保健師さんなどは、根拠に基づいたカウンセリングを学ぶ機会が少ないため、認知行動療法的な考え方などに反発を持つ人もいるのではないかと思っていたので。
それに明らかに退屈だろうかなって話もありましたし・・・。

受講者の皆さん、やさしいなぁ。

それと役に立ちそうなことはなんでも吸収しようという姿勢があるんだなぁ、と感心。
受講者のポジティブな感想をみて素直に「やって良かった」と思いました。
これからもがんばろう。

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研修会の講師をしてきました

臨床心理士の鈴木です。

今日「対人援助技術とメンタルヘルス」という題名で浦和区役所の隣にある常盤会館で講師をしてきました。

今回はさいたま市全域の地域包括支援センターの保健師さん、看護師さんと、さいたま市全ての区の高齢介護課に勤務する職員さんが対象。
今回は私の控室があったのですが、やることがないので会場で色んな人と話していて、ほとんど使いませんでした。
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朝9時半から夕方4時半までの長丁場の研修講師。
内容は精神科的な基礎知識、行動療法、動機づけ面接、家族心理教育ともりだくさん。
初の試みなども考えました。

実際のところどうだったかというと・・・明らかに難しすぎて失敗だったなぁ、と思ったところもありました。
反省・・・。

一方で認知行動療法についてもお話しましたが、興味を持ってくれた人もいるみたいなのでよかった。
うつ病やパニックなどは認知行動療法で結構よくなることを知ってもらえたのではないかと思います。
看護師さんや保健師さんでも、役所の人でも業務に必ず役に立つと思うので、興味をもった人は継続して勉強していってくれるとうれしい。

先日の学会でも外国の偉い先生が言っていましたが、認知行動療法の普及は臨床心理士以外からしていってもいいんじゃないかとも考えています。
古典的な話を聴くだけのカウンセリングでは限界を感じている人も多いはず。

地道に埼玉で認知行動療法の普及をがんばろう!

今月はもう一つパネリストとして呼ばれているのがあるのでプレゼンテーション技術を磨かなくては。
まるで認知行動療法の営業マンみたいですね・・・。

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他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


学会に参加してきました

臨床心理士の鈴木です。

認知療法・行動療法の学会に参加してきました。
今回の学会のテーマは
「認知行動療法を全国民に提供するために、総力の結集を!」
でした。
なんかどっかの政治団体みたいなスローガンですよね・・・。
気持ちはわかるのだけれど。

2泊3日で参加してきました。
ただ家を出る時、時間がなかったためにあせって出たら、上に着る洋服を全て忘れてしまいました・・・。
その他も結構忘れてしまい、不安な学会初日。
3日間同じ服なのも何なので、結局洋服は現地で調達。

今回泊まったホテルの外観は結構立派。
なぜかホテルに行くのに迷ってしまい、別のホテルの掃除のおばちゃんに案内してもらい到着。
掃除のおばちゃんありがとう。

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お部屋はオーシャンビュー。
しかも学会側がとってくれた部屋のせいかでかなりの割安料金(多分)。
結構忙しかったこともあり景色は堪能できませんでしたが・・・。

学会はテーマ通り「どうやって認知行動療法を広めていくか」といった感じのシンポジウムが多かった印象。
日本ではなかなか広まらない現実がありますからねぇ。
欧米での実践が聞くと、日本の現状とはかなりの差があると痛感しました。

あと睡眠障害、妊婦のうつや不安障害、糖尿病に対する認知行動療法など。
なかなか興味深いものもありました。

これまで薬しか治療法がないとを思われているような疾患でも、認知行動療法が有効である(研究段階のこともありますが)ことを多くの人に知ってほしいですね。

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子どもの社会不安障害

臨床心理士の鈴木です。

私のカウンセリング受けている方は20~40代の女性が多いのですが(男女比は男性3、女性7くらいです)、最近高校生~大学生の社会不安障害と診断された人が来談することが多くなってきました。
まだ若いということもあり、できれば薬以外の治療法を希望するという方がほとんです。

「視線が気になる」「変だと思われているのでは」「友人は自分と話していてもつまらいと思っているのでは」など学校でそのように考えてしまい、不登校や引きこもりになるケースもあります。

両親に言っても「誰だって緊張する」「気の持ちようだ」「誰もそんな風におもってないよ」「単なるなまけ」と説得され、理解してもらえず、一人で悩んでいることが多いようです。
社会不安障害は普通に暮らしていれば見聞きすることは少ないので、親御さんがそのように説得するは仕方ないのかもしれません。
このため不登校や引きこもりになって初めて親御さんがあわてて来談されます。

症状が重い場合は薬も有効ですが、薬が有効なために薬なしではいられなくなったり、薬はやめてしまえば元にもどることも少なくありません。
薬を飲むにしてもカウンセリングとの併用をお勧めします。

カウンセリングというと「根掘り葉掘り過去のことを聞かれるのでは」と心配される方がいますが、そのようなことはあまりいたしません。
相手が子どもだからといって、症状をご両親の育て方のせいにしたり、箱庭や絵を描かせるだけで終わるような治療的根拠の乏しいカウンセリング、話を聞くだけのカウンセリングもいたしません(必要性があったり、希望したりすれば別ですが)。

社会不安障害には認知行動療法が有効というデータが出ています。
きちんと認知行動療法の対処法や考え方を見につけて継続して実行していけば良くなっていきます(もちろん100%ではありませんが・・・)。
社会不安障害という診断がつかなくても、そのような症状で困っていれば遠慮なくきてください。
苦痛を軽くし、今よりも楽しい生活ができるようにお手伝いします。

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どこまでがカウンセリングの「適用」か?

臨床心理士の鈴木です。

「私みたいな悩みでもカウンセリング(行動療法)の適用となるんでしょうか?」と初めてカウンセリングを受ける人から聞かれます。

実は他の専門職の方からも聞かれます。

どうもカウンセリングは特別な「病気」に対してするものだと思われているらしい。
そんな私も「うつ病」「不安障害」を専門としている、とブログにも書いているので、私にも責任があるかもしれませんが・・・。

実際にいらっしゃる方は「眠れない」「怖くて電車にのれない」「気分が落ち込んで外に出られない」などよくある「病気」の症状から、「失恋で悩んでいる」「夫婦関係で悩んでいる」「病気とまではいかないかもしれないけれど、人前で話すと上がってしまう」「ダイエットをしたい」「40代になり、将来に不安を感じる」など、「病気」ではないかもしれない人まで実際に困っていることは人それぞれ。

相談にいらっしゃった方の困りごとを、様々な背景を考慮しながら、その人に合った解決法の提示するといった、ごくごく普通のことをしています。
行動療法は色々と理屈はありますが、日常生活の困りごとに役にたつことがたくさんあります。
あまり「病気」ということだけにこだわっていません。

そもそも「病気」だろうが「病気」でなかろうが、困っているという事実は同じです。
「困っているところ」を良い方向に向かっていけるように援助するのがカウンセリングだと私は思っています。

ですから私は冒頭に書いた質問には「もちろん適用ですよ」と答えています。

あと「私のような症状の人は他にもいるんでしょうか」というよくある質問。
病気について調べてみると、「~病」に当てはまりそうなんだけど、書いてある典型的な症状とは違う。
これは病気なのか、自分の症状はこれまでにない稀な症状なのか、それともただの気の持ちようなのか、と考えることも。
それでカウンセリングを受けようかどうか迷っている方もたくさんいらっしゃいます。
だいたいは「他にもたくさんいますよ」と答えられることが多いです。

とりあえずは病気かどうかは棚上げして、困りごとがあれば来てください。
どんな症状でも困っているのは事実でしょうから。
ずっと独りで悩んでいるよりは、何かが開けてくるかもしれませんよ。

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