発達障害

最近カウンセリングをしていると、来談される方のなかに、ご自身でネットを調べて、「自分は発達障害かもしれないと思って来た」とおっしゃる方を何人もみかけます。そしてそういう方のお話をうかがっていると、なるほど、たしかに発達障害の特徴が多くある、と思わせます。
発達障害の特徴を記述したものとして、もっとも有名なものに、ローナ・ウィングという人の提唱した「三つ組」というものがあります。これは「対人相互性の障害」、「コミュニケーションの障害」、「想像力の障害」の三つからなりたっています。「対人相互性の障害」は、相手の気持ちがわからず、場違いの行動をしてしまう、といったものです。「コミュニケーションの障害」は、言語の遅れなどによって示されます。「想像力の障害」は、常同的な行動やこだわりの強さといったものに現されます。なぜ想像力の障害がこだわりの強さに結びつくのかというと、発達障害のないいわゆる定型者からすれば想像できるような変化でも、発達障害があると、それは突発的な変化として感じられ、パニックを引き起こすため、変化に抵抗しなくてはならないからです。
こうした発達障害は、こうした特徴を持つ子供の障害と考えられていたのですが、近年は、同じような特徴を持つおかげで生きづらさを抱えている大人たちも増えているようです。より正確にいえば、もともとそうした生きづらさがありながらも、自分の状況を適切に言い当てる記述がいままでなかったのが、発達障害という考え方が世に広まるにつれ、自分の状況をようやく把握できるようになったのでしょう。
発達障害を抱える大人たちが、自分は発達障害かもしれない、と感じるのは、ローナ・ウィングの「三つ組」を直接感じて、というよりも、個別の状況でうまくいかないときに、なぜうまくいかないかを考え始めるのがきっかけのようです。ここではいくつか、そうしたきっかけになるような特徴をあげておきます。

1.物事を俯瞰して見られない。
場当たり的に問題を解決していくうちに、さらに大きな問題に行き当たることが多いようです。

2.予定を立てられない。
想像力の障害があるため、未来のことが考えにくいです。

3.選択ができない。
未来のことが考えられないため、どちらの選択肢を選んだらどうなるのか、予測ができません。

4.同時に色々なことができない。
注意の転換が難しく、ひとつのことに取り組むと、それ以外は目に入らなくなります。

5.場の空気が読めない。
対人相互性の障害ゆえ、場の雰囲気や行間が読めず、まったく理由がわからないけれど他人から煙たがられている、という状況に陥ることもあります。